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text:kohon:kohon004 [2014/05/08 02:01] – 作成 Satoshi Nakagawatext:kohon:kohon004 [2014/09/15 21:38] – [第4話 匡衡、和歌の事] Satoshi Nakagawa
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 +古本説話集
 ====== 第4話 匡衡、和歌の事 ====== ====== 第4話 匡衡、和歌の事 ======
  
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 ===== 校訂本文 ===== ===== 校訂本文 =====
 +
 +今は昔、式部大輔匡衡、学生にて、いみじき物なり。宇治大納言のもとにありけり。
 +
 +才は極めてめでたけれど、見目はいとしもなし。丈高く、指し肩にて、みぐるしかりければ、女房ども、「言ひまさぐりて、笑はむ」とて、和琴(わごん)を指し出だして、「よろづの事、知り給ひたなるを、これ弾き給へ。聞かむ」と、言ひければ、詠みて
 +
 +  逢坂の関のあなたもまた見ねば東の事も知られざりけり
 +
 +と、言ひたりければ、女房どもえ笑はで、やはらづつ引き入りにけり。
 +
 +同じ匡衡、つかさ申しけるに、えならで嘆きけるころ、殿上人、大井に行きて、となせにさし上り歩きて遊ぶままに、人々、歌詠みけるに、匡衡かくなん詠みたりける。
 +
 +  川舟に乗りて心の行くときは沈める身ともおぼえざりけり
 +
 +赤染の衛門が男なり。
  
 ===== 翻刻 ===== ===== 翻刻 =====
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   よみたりける   よみたりける
     かはふねにのりてこころの行ときは     かはふねにのりてこころの行ときは
-    しつめるともおほえさりけり+    しつめるともおほえさりけり
   あかそめのゑもむかおとこなり/b33 e16   あかそめのゑもむかおとこなり/b33 e16
  
text/kohon/kohon004.txt · 最終更新: 2016/01/20 14:21 by Satoshi Nakagawa