text:kohon:kohon003
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text:kohon:kohon003 [2014/05/07 23:59] – [翻刻] Satoshi Nakagawa | text:kohon:kohon003 [2014/09/15 21:38] (現在) – [第3話 或人、所々を歴覧する間、尼の家に入りて和歌を詠む事] Satoshi Nakagawa | ||
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- | ====== 第3話 或人、所々歴覧する間、尼の家に入りて和歌を詠む事 ====== | + | 古本説話集 |
+ | ====== 第3話 或人、所々を歴覧する間、尼の家に入りて和歌を詠む事 ====== | ||
** 或人歴覧所々間入尼家詠和哥事 ** | ** 或人歴覧所々間入尼家詠和哥事 ** | ||
- | ** 或人、所々歴覧する間、尼の家に入りて和歌を詠む事 ** | + | ** 或人、所々を歴覧する間、尼の家に入りて和歌を詠む事 ** |
===== 校訂本文 ===== | ===== 校訂本文 ===== | ||
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+ | 今は昔、あてなる男の、いみじうすきずきしかりけるが、よろずの所の、心細げにあはれなるを見歩きける中に、小さき家のあやしげなるが、さすかに内などしたたかに造りてゐたる人有りけり。 | ||
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+ | 煙も立たず、さびしげなる事限りなし。「いかなる人ぞ」と、あたりの人に問ひければ、「さる尼の候ふが、もの食ふ事も知らず、心細げにて、この年来候ふなり」といふを聞きて、 | ||
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+ | 朝夕に煙も立たぬ壺屋には露の命も何にかくらん | ||
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+ | と言ふを聞きて、この尼 | ||
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+ | 玉光る女(むすめ)籠めたる壺屋には露の命も消えぬなりけり | ||
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+ | と言ふ。 | ||
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+ | あやしくて、よく問ひ聞きければ、めでたく光り輝く女を隠し据ゑたるなりけり。尋ね出だして、人目にして、めでたくてあらせけるとや。 | ||
===== 翻刻 ===== | ===== 翻刻 ===== | ||
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しけなるかさすかにうちなとしたたかにつくりて | しけなるかさすかにうちなとしたたかにつくりて | ||
ゐたる人有けりけふりもたたすさひしけな | ゐたる人有けりけふりもたたすさひしけな | ||
- | る事かきりなしいかなる人そとあたりの人々/b30 e15 | + | る事かきりなしいかなる人そとあたりの人に/b30 e15 |
とひけれはさるあまのさふらふかものくふ事も | とひけれはさるあまのさふらふかものくふ事も |
text/kohon/kohon003.txt · 最終更新: 2014/09/15 21:38 by Satoshi Nakagawa