text:kara:m_kara017
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text:kara:m_kara017 [2014/11/24 13:12] – 作成 Satoshi Nakagawa | text:kara:m_kara017 [2016/02/23 13:58] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa | ||
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これより先に商山四皓は、御門の御有様を心安く見なし奉りて後、暇(いとま)を申して、もとの住処(すみか)に帰りぬるを、世の人、喩へをとりて讃めていはく、「世の中の日照りにあひて、草木も枯れ、土さへ裂けて、人の命も絶えぬべきに、一度(ひとたび)雨降りつつ四方(よも)の木末(こずゑ)を潤し、門田(かどた)の稲葉も露しげく結びぬる後、八重(やへ)の雨雲山に帰り居るなるべし」となむ言ひけるこそ、まことにさもと思ゆれ。((底本、ここで改行)) | これより先に商山四皓は、御門の御有様を心安く見なし奉りて後、暇(いとま)を申して、もとの住処(すみか)に帰りぬるを、世の人、喩へをとりて讃めていはく、「世の中の日照りにあひて、草木も枯れ、土さへ裂けて、人の命も絶えぬべきに、一度(ひとたび)雨降りつつ四方(よも)の木末(こずゑ)を潤し、門田(かどた)の稲葉も露しげく結びぬる後、八重(やへ)の雨雲山に帰り居るなるべし」となむ言ひけるこそ、まことにさもと思ゆれ。((底本、ここで改行)) | ||
- | また、周文王と申ける御門の御時、公望((太公望。底本、「コウハウ」と傍書))と聞こゆる賢人、御門に召し出だされて後、官位(つかさくらゐ)身に余れるに喜びて、帰る思ひなかりけり。 | + | また、周文王と申ける御門の御時、公望((呂尚・太公望。底本、「コウハウ」と傍書。))と聞こゆる賢人、御門に召し出だされて後、官位(つかさくらゐ)身に余れるに喜びて、帰る思ひなかりけり。 |
尭と申す御門、許由に位を譲らんとて、三度(みたび)まて召しけるを、「汚なきことを聞きつ」と言ひて、穎水といふ川に耳を洗ひけるも、「いかなることにか」と、をかしきやうに聞こゆ。((底本、ここで改行)) | 尭と申す御門、許由に位を譲らんとて、三度(みたび)まて召しけるを、「汚なきことを聞きつ」と言ひて、穎水といふ川に耳を洗ひけるも、「いかなることにか」と、をかしきやうに聞こゆ。((底本、ここで改行)) |
text/kara/m_kara017.1416802351.txt.gz · 最終更新: 2014/11/24 13:12 by Satoshi Nakagawa