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text:k_konjaku:k_konjaku28-30 [2015/02/20 03:00] – 作成 Satoshi Nakagawatext:k_konjaku:k_konjaku28-30 [2017/11/05 12:56] (現在) – [巻28第30話 左京属紀茂経鯛荒巻進大夫語 第三十] Satoshi Nakagawa
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 今昔、左京の大夫□□の□□と云ふ旧(ふる)君達有けり。年老て、極く旧めかしければ、殊に行(ある)きも為で、下辺なる家になむ籠居たりける。 今昔、左京の大夫□□の□□と云ふ旧(ふる)君達有けり。年老て、極く旧めかしければ、殊に行(ある)きも為で、下辺なる家になむ籠居たりける。
  
-而るに、其の職の属にて、紀の茂経と云ふ者有ける。長岳になむ住ける。其の職の属なれば、彼の大夫の許に時々行てなむ、掍(をこづり)ける。+而るに、其の職の属にて、紀の茂経((紀茂経。『宇治拾遺物語』23では「用経」))と云ふ者有ける。長岳になむ住ける。其の職の属なれば、彼の大夫の許に時々行てなむ、掍(をこづり)ける。
  
 而る間、茂経、宇治殿の盛に御ましける時に、参て贄殿に居たる程に、淡路の守源の頼親の朝臣の許より、鯛の荒巻を多く奉たりけるを、贄殿に多く取置けるに、贄殿の預□□の義澄と云ふ者に、茂経、その荒巻を三巻乞取て、「我が職の大夫の君に此れ奉て、掍り申さむ」と云て、此の荒巻三巻を、間木(まぎ)に捧置て、義澄に云く、「此の荒巻三巻、人を以て取りに奉らむ時に遣はせ」と云ひ置て、茂経は殿を出て、左京の大夫の許に行て見れば、大夫は出居て、客人二三人許来たり。 而る間、茂経、宇治殿の盛に御ましける時に、参て贄殿に居たる程に、淡路の守源の頼親の朝臣の許より、鯛の荒巻を多く奉たりけるを、贄殿に多く取置けるに、贄殿の預□□の義澄と云ふ者に、茂経、その荒巻を三巻乞取て、「我が職の大夫の君に此れ奉て、掍り申さむ」と云て、此の荒巻三巻を、間木(まぎ)に捧置て、義澄に云く、「此の荒巻三巻、人を以て取りに奉らむ時に遣はせ」と云ひ置て、茂経は殿を出て、左京の大夫の許に行て見れば、大夫は出居て、客人二三人許来たり。
text/k_konjaku/k_konjaku28-30.1424368839.txt.gz · 最終更新: 2015/02/20 03:00 by Satoshi Nakagawa