text:k_konjaku:k_konjaku27-28
差分
このページの2つのバージョン間の差分を表示します。
最新のリビジョン両方とも次のリビジョン | |||
text:k_konjaku:k_konjaku27-28 [2015/01/25 15:29] – 作成 Satoshi Nakagawa | text:k_konjaku:k_konjaku27-28 [2015/01/25 15:29] – [巻27第28話 於京極殿有詠古歌音語 第廿七] Satoshi Nakagawa | ||
---|---|---|---|
行 6: | 行 6: | ||
然れば、院、弥よ恐ぢさせ給て、「此れは、『人の花を見て、興じて然様に長めたりけるを、此く密(きびしく)尋ねさすれば、怖れて逃げ去(い)ぬるにこそ有めれ』とこそ思ひつるに、此の□にて有ければ、極く怖しき事也」となむ、仰せられける。 | 然れば、院、弥よ恐ぢさせ給て、「此れは、『人の花を見て、興じて然様に長めたりけるを、此く密(きびしく)尋ねさすれば、怖れて逃げ去(い)ぬるにこそ有めれ』とこそ思ひつるに、此の□にて有ければ、極く怖しき事也」となむ、仰せられける。 | ||
- | 然れば、其の後は、弥よ恐ぢさせ給ひて、近くも御さざりけりけり。 | + | 然れば、其の後は、弥よ恐ぢさせ給ひて、近くも御さざりけり。 |
此れを思ふに、此れは狐などの云たる事には非じ。「物の霊などの、此の歌を、『微妙き歌かな』と思ひ初てけるが、花を見る毎に、常に此く長めけるなめり」とぞ、人、疑ひける。然様の物の霊などは、夜るなどこそ現ずる事にて有れ、真日中に音を挙て長めけむ、実に怖るべき事也かし。 | 此れを思ふに、此れは狐などの云たる事には非じ。「物の霊などの、此の歌を、『微妙き歌かな』と思ひ初てけるが、花を見る毎に、常に此く長めけるなめり」とぞ、人、疑ひける。然様の物の霊などは、夜るなどこそ現ずる事にて有れ、真日中に音を挙て長めけむ、実に怖るべき事也かし。 |
text/k_konjaku/k_konjaku27-28.txt · 最終更新: 2015/01/25 15:34 by Satoshi Nakagawa