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text:k_konjaku:k_konjaku24-38 [2014/09/28 04:47] – 作成 Satoshi Nakagawatext:k_konjaku:k_konjaku24-38 [2019/12/22 16:36] (現在) Satoshi Nakagawa
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 ====== 巻24第38話 藤原道信朝臣送父読和歌語 第卅八 ====== ====== 巻24第38話 藤原道信朝臣送父読和歌語 第卅八 ======
  
-今昔、左近中将に藤原道信と云ふ人有けり。法住寺の為光大臣の子也。一条院の御時の殿上人也。形ち有様より始て、心ばへは糸可咲て、和歌をなむ微妙く読ける。+今昔、左近中将に藤原道信と云ふ人有けり。法住寺の為光大臣((藤原為光))の子也。一条院((一条天皇))の御時の殿上人也。形ち有様より始て、心ばへは糸可咲て、和歌をなむ微妙く読ける。
  
 未だ若かりける時に、父の大臣失給ひにければ、歎き悲むと云へども甲斐無くて、墓無く過て、亦の年に成たれば、哀れは尽せぬ物なれども、限り有れば、服除(ぶくぬぐ)とて、道信中将、此なむ読ける 未だ若かりける時に、父の大臣失給ひにければ、歎き悲むと云へども甲斐無くて、墓無く過て、亦の年に成たれば、哀れは尽せぬ物なれども、限り有れば、服除(ぶくぬぐ)とて、道信中将、此なむ読ける
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 と。 と。
  
-亦、此の中将、兄弟の公信朝臣と共に壺坂と云ふ所に行たりけるに、道に蘭(ふじばかま)の栄(さき)たりけるを見て、此なむ読ける。+亦、此の中将、兄弟の公信朝臣((藤原公信))と共に壺坂と云ふ所に行たりけるに、道に蘭(ふじばかま)の栄(さき)たりけるを見て、此なむ読ける。
  
   おいのきくおとろへにけるふじばかまにしきのこりてありとこたへよ   おいのきくおとろへにけるふじばかまにしきのこりてありとこたへよ
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 と。 と。
  
-亦、此の中将、女院の長谷に参らせ給ひて出給ひけるに、未だ夜深かりければ、暫く御座ける間、数(あまた)の人々、有明の月の極く見ゆるを詠めけるに、此の中将、此なむ読ける。+亦、此の中将、女院の長谷((長谷寺))に参らせ給ひて出給ひけるに、未だ夜深かりければ、暫く御座ける間、数(あまた)の人々、有明の月の極く見ゆるを詠めけるに、此の中将、此なむ読ける。
  
   そむけどもなをよろづよをありあけの月のひかりぞはるけかりける   そむけどもなをよろづよをありあけの月のひかりぞはるけかりける
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 と。 と。
  
-亦、此の中将、□□の国範朝臣の帯を借て、返し遣けるに、此なむ読て遣ける。+亦、此の中将、□□の国範朝臣((『拾遺和歌集』等によると藤原国章。))の帯を借て、返し遣けるに、此なむ読て遣ける。
  
   ゆくさきのしのぶぐさにもなるやとてつゆのかたみをおかむとぞおもふ   ゆくさきのしのぶぐさにもなるやとてつゆのかたみをおかむとぞおもふ
text/k_konjaku/k_konjaku24-38.txt · 最終更新: 2019/12/22 16:36 by Satoshi Nakagawa