text:k_konjaku:k_konjaku23-16
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text:k_konjaku:k_konjaku23-16 [2014/07/06 14:57] – Satoshi Nakagawa | text:k_konjaku:k_konjaku23-16 [2017/12/23 03:12] (現在) – [巻23第16話 駿河前司橘季通構逃語 第(十六)] Satoshi Nakagawa | ||
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+ | 今昔物語集 | ||
====== 巻23第16話 駿河前司橘季通構逃語 第(十六) ====== | ====== 巻23第16話 駿河前司橘季通構逃語 第(十六) ====== | ||
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門を開くままに走り延て、辻に走り折つつ程にぞ、童は走り合て、具して一二町許り走り延びにければ、例の様に歩きて、季通、童に、「何としたりつる事ぞ」と問ければ、童の云く、「御門共は例に非ず差されて候つるに、合せて崩に侍共の立塞りて、密気(きびしげ)に尋問ひ候つれば、怪く思へて、其こにても『御読経の僧の童子也』と名乗て候つれば、入て候つれば、音を聞かせ奉て後、返て出て、此の殿に候ふ女の童の大路に屈まり居て候つるを、しや髪を取て打臥せて、衣を剥候つれば、叫び候つる音に付て侍共の出来り候つれば、『今は然りとも出させ給ぬらむ」と思給へて、打棄て、此方様に参合候つる也」と云て、具して返にける。 | 門を開くままに走り延て、辻に走り折つつ程にぞ、童は走り合て、具して一二町許り走り延びにければ、例の様に歩きて、季通、童に、「何としたりつる事ぞ」と問ければ、童の云く、「御門共は例に非ず差されて候つるに、合せて崩に侍共の立塞りて、密気(きびしげ)に尋問ひ候つれば、怪く思へて、其こにても『御読経の僧の童子也』と名乗て候つれば、入て候つれば、音を聞かせ奉て後、返て出て、此の殿に候ふ女の童の大路に屈まり居て候つるを、しや髪を取て打臥せて、衣を剥候つれば、叫び候つる音に付て侍共の出来り候つれば、『今は然りとも出させ給ぬらむ」と思給へて、打棄て、此方様に参合候つる也」と云て、具して返にける。 | ||
- | 童部なれども此く賢き奴は有難き者也。此の季通は陸奥前司則光朝臣の子也。此れも心太く、力有ければ、此くも逃れける也、となむ語り伝へたるとや。 | + | 童部なれども此く賢き奴は有難き者也。 |
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+ | 此の季通は陸奥前司則光朝臣((橘則光))の子也。此れも心太く、力有ければ、此くも逃れける也、となむ語り伝へたるとや。 |
text/k_konjaku/k_konjaku23-16.1404626270.txt.gz · 最終更新: 2014/07/06 14:57 by Satoshi Nakagawa