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text:k_konjaku:k_konjaku16-33

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text:k_konjaku:k_konjaku16-33 [2015/12/20 19:17] – 作成 Satoshi Nakagawatext:k_konjaku:k_konjaku16-33 [2018/07/30 16:01] (現在) – [巻16第33話 貧女仕清水観音値盗人夫語 第卅三] Satoshi Nakagawa
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 ====== 巻16第33話 貧女仕清水観音値盗人夫語 第卅三 ====== ====== 巻16第33話 貧女仕清水観音値盗人夫語 第卅三 ======
  
-今昔、京に有ける若き女、身貧くして世に経べき方も無かりければ、年来、清水に参けるに、少しの験しと思ふ事も無かりけり。+今昔、京に有ける若き女、身貧くして世に経べき方も無かりければ、年来、清水((清水寺))に参けるに、少しの験しと思ふ事も無かりけり。
  
 而る間、例の事なれば、清水に参て籠て観音に申さく、「我れ、年来、観音を憑み奉て、懃ろに歩を運ぶと云へども、身貧くして、少の便り無し。譬ひ前世の宿業也と云ふとも、何(いかで)か聊の利益を蒙らざらむ」と申して、低(うつぶ)し臥たる間に寝入ぬ。夢に、御帳の内より、貴く気高き僧、出来て、告て宣はく、「汝ぢ、此より京に返らむに、道にして物云ひ係る男有らむとす。速に、其の男の云はむ事に随ふべし」と宣ふと見て、夢覚ぬ。 而る間、例の事なれば、清水に参て籠て観音に申さく、「我れ、年来、観音を憑み奉て、懃ろに歩を運ぶと云へども、身貧くして、少の便り無し。譬ひ前世の宿業也と云ふとも、何(いかで)か聊の利益を蒙らざらむ」と申して、低(うつぶ)し臥たる間に寝入ぬ。夢に、御帳の内より、貴く気高き僧、出来て、告て宣はく、「汝ぢ、此より京に返らむに、道にして物云ひ係る男有らむとす。速に、其の男の云はむ事に随ふべし」と宣ふと見て、夢覚ぬ。
text/k_konjaku/k_konjaku16-33.1450606636.txt.gz · 最終更新: 2015/12/20 19:17 by Satoshi Nakagawa