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text:k_konjaku:k_konjaku15-11 [2015/10/04 17:05] – 作成 Satoshi Nakagawatext:k_konjaku:k_konjaku15-11 [2015/10/04 17:08] (現在) – [巻15第11話 比叡山西塔僧仁慶往生語 第十一] Satoshi Nakagawa
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 ====== 巻15第11話 比叡山西塔僧仁慶往生語 第十一 ====== ====== 巻15第11話 比叡山西塔僧仁慶往生語 第十一 ======
  
-今昔、比叡の山の西塔に、仁慶と言ふ僧有けり。俗姓は□□の氏、越前の国の人也。 +今昔、比叡の山の西塔に、仁慶と言ふ僧有けり。俗姓は□□の氏、越前の国の人也。幼にして山に登て出家して、仁鏡阿闍梨と云ふ人を師として、顕密の法文を受け学て、師に仕へて、年来山に有ける間に、暇の隙、法花経を読誦し、真言の行法を修して、漸く長大に成る程に、本山を離れて、京に出て住む間に、人有て、請て経を読ましめて貴めば、其に付て京に有るに、或る時には、仏道を修行せむが為に、京を出て、所々の霊験の所に流浪す。或る時には、国の司に付て、遠き国に行てぞ有ける。此如くして世を渡ると云へども、必ず日毎に法花経一部を読誦して闕かざりけり。自の功徳としけり。
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-幼にして山に登て出家して、仁鏡阿闍梨と云ふ人を師として、顕密の法文を受け学て、師に仕へて、年来山に有ける間に、暇の隙、法花経を読誦し、真言の行法を修して、漸く長大に成る程に、本山を離れて、京に出て住む間に、人有て、請て経を読ましめて貴めば、其に付て京に有るに、或る時には、仏道を修行せむが為に、京を出て、所々の霊験の所に流浪す。或る時には、国の司に付て、遠き国に行てぞ有ける。此如くして世を渡ると云へども、必ず日毎に法花経一部を読誦して闕かざりけり。自の功徳としけり。+
  
 而る間、遂に京に留て、大宮と□□とにぞ住て有ける。漸く年積て老に臨めれば、世の中を哀れに無端(あぢきな)く思て、殊に道心□((底本頭注「道心ノ下発字アルベシ」))けむ、聊かに房の具などの有けるを投げ棄て、両界の曼荼羅を書奉り、阿弥陀仏の像を造り奉り、法花経を写し奉て、四恩法界の為に供養しつ。 而る間、遂に京に留て、大宮と□□とにぞ住て有ける。漸く年積て老に臨めれば、世の中を哀れに無端(あぢきな)く思て、殊に道心□((底本頭注「道心ノ下発字アルベシ」))けむ、聊かに房の具などの有けるを投げ棄て、両界の曼荼羅を書奉り、阿弥陀仏の像を造り奉り、法花経を写し奉て、四恩法界の為に供養しつ。
text/k_konjaku/k_konjaku15-11.1443945947.txt.gz · 最終更新: 2015/10/04 17:05 by Satoshi Nakagawa