text:k_konjaku:k_konjaku13-1
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text:k_konjaku:k_konjaku13-1 [2015/07/21 16:59] – 作成 Satoshi Nakagawa | text:k_konjaku:k_konjaku13-1 [2017/05/12 22:42] (現在) – [巻13第1話 修行僧義睿値大峰持経仙語 第一] Satoshi Nakagawa | ||
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====== 巻13第1話 修行僧義睿値大峰持経仙語 第一 ====== | ====== 巻13第1話 修行僧義睿値大峰持経仙語 第一 ====== | ||
- | 今昔、仏の道を修行する僧有けり。名をば義睿と云ふ。諸の山を廻り、海を渡て、国々に行き、所々の霊験に参て行ひけり。 | + | 今昔、仏の道を修行する僧有けり。名をば義睿((義叡とも))と云ふ。諸の山を廻り、海を渡て、国々に行き、所々の霊験に参て行ひけり。 |
而るに、熊野に参て、其れより大峰と云ふ山を通て、金峰に参り出たるに、山の中にして道に迷て、東西を失ひつ。只、宝螺を吹て、其の音を以て道を尋ぬと云へども、道を知る事無し。山の頂に登て四方を見れば、皆遥に幽なる谷なり。此如くして、十余日辛苦悩乱す。然れば、義睿、歎き悲て、憑み奉る所の本尊に、人間に出む事を祈請す。 | 而るに、熊野に参て、其れより大峰と云ふ山を通て、金峰に参り出たるに、山の中にして道に迷て、東西を失ひつ。只、宝螺を吹て、其の音を以て道を尋ぬと云へども、道を知る事無し。山の頂に登て四方を見れば、皆遥に幽なる谷なり。此如くして、十余日辛苦悩乱す。然れば、義睿、歎き悲て、憑み奉る所の本尊に、人間に出む事を祈請す。 |
text/k_konjaku/k_konjaku13-1.txt · 最終更新: 2017/05/12 22:42 by Satoshi Nakagawa