text:jikkinsho:s_jikkinsho06-17
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text:jikkinsho:s_jikkinsho06-17 [2016/01/07 21:43] – 作成 Satoshi Nakagawa | text:jikkinsho:s_jikkinsho06-17 [2016/01/09 22:27] – [校訂本文] Satoshi Nakagawa | ||
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頼義・義家ら、忠を天朝につくして、名を遠近に上げける。 | 頼義・義家ら、忠を天朝につくして、名を遠近に上げける。 | ||
- | その後、年ごろ経て、白河院の御時、後藤内則明((藤原則明))が老ひ衰へたりけるを召し出だして、軍の物語せさせられけるに、先づ申していはく、「故頼義朝臣((「朝臣」底本「臣」。諸本により訂正。))の鎮守府をたちて、秋田城へ着き侍りし時、うす雪ふり侍りしに、軍の男(おのこ)ども・・・」と申すあひだ、法皇の、「今はさやうにて候へ。事の体、幽玄なり。残のこと、これにて足りぬべし」とて、御衣を賜はせけり。 | + | その後、年ごろ経て、白河院の御時、後藤内則明((藤原則明))が老い衰へたりけるを召し出だして、軍の物語せさせられけるに、先づ申していはく、「故頼義朝臣((「朝臣」底本「臣」。諸本により訂正。))の鎮守府をたちて、秋田城へ着き侍りし時、うす雪ふり侍りしに、軍の男(おのこ)ども・・・」と申すあひだ、法皇の、「今はさやうにて候へ。事の体、幽玄なり。残のこと、これにて足りぬべし」とて、御衣を賜はせけり。 |
そもそも、松を貞木といふことは、まさしく人のために、かの木の貞心あるにあらず。雪霜のはげしきにも色あらたまらず、いつとなく緑なれば、これを貞心に比ぶるなり。「勁松は年の寒きにあらはれ、忠臣は国のあやうきに見ゆ」と、潘安仁が「西征の賦」に書ける、その意なり。 | そもそも、松を貞木といふことは、まさしく人のために、かの木の貞心あるにあらず。雪霜のはげしきにも色あらたまらず、いつとなく緑なれば、これを貞心に比ぶるなり。「勁松は年の寒きにあらはれ、忠臣は国のあやうきに見ゆ」と、潘安仁が「西征の賦」に書ける、その意なり。 |
text/jikkinsho/s_jikkinsho06-17.txt · 最終更新: 2023/12/10 21:52 by Satoshi Nakagawa