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text:chomonju:s_chomonju332 [2020/04/23 20:34] – 作成 Satoshi Nakagawatext:chomonju:s_chomonju332 [2020/04/23 20:39] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa
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 ===== 校訂本文 ===== ===== 校訂本文 =====
  
-いつのころのことにか、男(忠度((平忠度))がことにや)ありけり。内の女房を忍びてもの言ひわたりけるが、ある夜、局のあたりにたたずみて、「ここに((「ここに」は底本「ことに」。諸本により訂正))ありと知られん」とて、扇のかなめを鳴らして使ひければ、女房聞きて、折節便宜(びんぎ)悪しきことやありけん、何となきやうにて、局の内にて、「野もせにすだく虫の音(ね)よ」と、うちながめたりければ、男、聞きて、扇を使ひやみてけり。+いつのころのことにか、男(忠度((平忠度))がことにや)ありけり。内の女房を忍びてもの言ひわたりけるが、ある夜、局のあたりにたたずみて、「ここに((「ここに」は底本「ことに」。諸本により訂正))ありと知られん」とて、扇のかなめを鳴らして使ひければ、女房聞きて、折節便宜(びんぎ)悪しきことやありけん、何となきやうにて、局の内にて、
  
- かしがまし野もせにすだく虫の音よわれだになかでものをこそ思へ((底本、「だに」以下に「も物をはいはて(もものをば言はで)」と傍書。))+  野もせにすだく虫の音(ね)よ 
 + 
 +と、うちながめたりければ、男、聞きて、扇を使ひやみてけり。 
 + 
 +  かしがまし野もせにすだく虫の音よわれだになかでものをこそ思へ((底本、「だに」以下に「も物をはいはて(もものをば言はで)」と傍書。))
  
 この心なるべし。 この心なるべし。
text/chomonju/s_chomonju332.1587641663.txt.gz · 最終更新: 2020/04/23 20:34 by Satoshi Nakagawa