大和物語
同じ女1)、巨城(おほき)2)が牛を借りて、また、のちに借りたりければ、「奉りたりし牛は死にき」と言ひたりける返しに、
わが乗りしことをうしとや消えにけむ草にかかれる露の命は
をなし女おほきかうしをかりてまた のちにかりたりけれはたてまつり たりしうしはしにきといひたりけ るかへしに わかのりしことをうしとやきえに けむくさにかかれるつゆのいのちは/d10l