大和物語
同じ女1)のもとに、また、さらに音もせで、雉(きじ)をなんおこせ給へりける。
返事に、
栗駒の山に朝たつ雉よりもかりにはあはじと思ひしものを
となむ言ひやりける。
となんありけるおなし女のもとに 又さらにおともせてきしをなん をこせ給えりける返事に くりこまのやまにあさたつきし よりもかりにはあはしとおもひしものを となむいひやりける/d40l