大和物語
同じ大臣(おとど)1)、かの宮2)を得(え)奉り給ひて、御門3)のあはせ奉り給ひたりけれど、始めごろ、忍びてよなよな 通ひ給ひけるころ、帰りて、
明くといへば静心(しづごころ)なき春の夜(よ)の夢とや君を夜(よる)のみは見ん
おなしおととかのみやをえたてまつり 給てみかとのあはせたてまつり給た りけれとはしめころしのひてよなよな かよひたまひけるころかへりて/d11r
あくといへはしつこころなき春のよ のゆめとやきみをよるのみはみん/d11l