あまりめづらしかりしままに、むげにさま悪しきまでうちとけたりしことの、さすがに恥かしくて、「異人(ことひと)に、かかるありさまはうちとけぬものを、いかばかりわりなき心ぞ」と、われながら思ひ知られて、
誰にもやかかると君は思ふらんあまりなるまでむつれにしこそ
あまりめつらしかりし ままにむげにさまあしき まてうちとけたりしこ とのさすかにはつかしくて こと人にかかるありさまは/s26r
うちとけぬものをいかはか りわりなき心そとわれな からおもひしられて たれにもやかかると君はおもふらん あまりなるまてむつれにしこそ/s26l