豊明(とよのあかり)1)のころにや、にはかにおびたたしく火燃え出でて、内わたりもま近きほどなれば、人々その数参り集まりて、立ち騒ぐ中にも、このことのみ忘れねば、われながらもあさましく覚えて、
燃えわたる煙(けぶり)のうちの思ひこそ時をもわかず身をこがしけれ
とよのあかりのころにやに はかにおひたたしく火もえい ててうちわたりもまちかき ほとなれは人々そのかすま いりあつまりてたちさはく なかにもこのことのみわすれ ねはわれなからもあさましく/s22r
おほえて もえわたるけふりのうちのおもひこそ ときをもわかす身をこかしけれ/s22l