醒睡笑 巻7 謡
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鵺(ぬえ)1)を謡はせ聞きて、「『御殿の大床に伺候(しかう)して』は悪(あ)しさうな。宵から行きてゐたほどに、『冷えて尿(しと)をして』がよからう。その子細は鵺を射たりし後、官を賜ふ時、すでに左少弁(させうべん)2)になされたるは」。
一 鵺(ぬえ)をうたはせ聞て御殿(てん)の大床(ゆか)に伺候(しかう)しては あしさうな宵から行て居たほとにひえて しとをしてがよからふ其子細(しさい)はぬゑを射(い) たりし後官(くわん)をたまふ時既に左少弁(させうべん)に なされたるは/n7-37r