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text:sesuisho:n_sesuisho7-065

醒睡笑 巻7 謡

7 田村に千の手には千の矢先と作りたるがこれは不審な・・・

校訂本文

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「田村1)に、『千の手には千の矢先(やさき)2)』と作りたるが、これは不審な。手には五百の矢先ならん物を」。「それはそなたのおぞい。昔も3)あれを、『見よ不思議やな』と言うたは」。

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一 田村に千の手には千の矢さきとつくりたる
  か是は不審な手には五百の矢さきならん/n7-36l
  物をそれはそなたのをそいむかしをあれを
  見よふしぎやなといふたは/n7-37r
1)
謡曲「田村」
2)
田村「あれを見よ不思議やな。味方の軍兵の旗の上に。千手観音の。光をはなつて虚空に飛行し。千の御手ごとに。大悲の弓には。知恵の矢をはめて。一度放せば千の矢先。」
3)
「昔も」は底本「昔を」。諸本により訂正。
text/sesuisho/n_sesuisho7-065.txt · 最終更新: 2022/08/15 16:44 by Satoshi Nakagawa