醒睡笑 巻6 推はちがうた
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ある侍1)の指物(さしもの)に、「ふへんもの」と書きたり。家のおとなたる人見付け、「これはさし出でたる言葉2)さうな」ととがめければ、「いやとよ。私の心持ち、かくれもなき不便者(ふべしんしや)と、述懐の旨(むね)を書きて候ふ」とぞ。
一 ある侍のさし物にふへんものと書たり家 のおとなたる人みつけ是はさし出たることは左 右なととかめけれはいやとよ私の心持かくれ もなきふへしんしやと述懐の旨を書て候とそ/n6-60r