古今著聞集 魚虫禽獣第三十
同じき1)二年冬のころ、石見守宗季、唐の鷹をまうけたりける。脛(はぎ)高くて尾短かくして、世の常のにも似ざりけり。足緒なども付きたりけるは、人の飼ひたりけるにこそ。
人にあづけて飼はせけるほどに、飼ひ損じにければ、院2)より召されけれども、参らせざりけり。
同二年冬の比石見守宗季唐の鷹をまうけたり けるはきたかくて尾みしかくしてよのつねのにも 似さりけり足緒なともつきたりけるは人の飼たりけ るにこそ人にあつけてかはせける程に飼損しに けれは院よりめされけれともまいらせさりけり/s536r