古今著聞集 飲食第二十八
道命阿闍梨、修行し歩(あり)きけるに、山人(やまうど)の物を食はせたりけるを、「これは何物ぞ」と問ひければ、かしこにひたはへて侍るそま麦1)なむこれなり」と言ふを聞きて詠み侍りける。 ひたはへて鳥だにすゑぬそま麦にししつきぬべき心地こそすれ
道命阿闍梨修行しありきけるに山うとの物をくはせ たりけるをこれはなにものそと問けれはかしこにひたはへ て侍るそまむきなむこれなりといふをききてよみ侍ける ひたはへて鳥たにすへぬそまむきにししつきぬへき心ちこそすれ/s489r
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