古今著聞集 好色第十一
ある宮腹に忍びて参り通ひ給ふ、しかるべき上達部おはしけり。君も忍び、われも人目をつつみ給ふとて、うとくや御仲のなりにけん、宮より、
忍ぶかなたかまの山の峰にゐる雲のよそにてありし昔を
いとあはれに思したりければ、さだめてまた御心あらたまりにけんかし。
ある宮はらに忍てまいりかよひ給しかるへき上達部 をはしけり君もしのひ我も人目をつつみ給とてうとくや/s224l
http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/224
御中のなりにけん宮より しのふかなたかまの山のみねにゐる雲のよそにてありし昔を いとあはれにおほしたりけれはさためて又御心あらたまり にけんかし/s225r