古今著聞集 能書第八
尺牘(せきとく)の書疏(しよそ)は千里の面目なりといへり。およそ六文八体1)の姿をあらはす輩、驚鸞反鵲(きやうらんへんじやく)の勢ひを習ふ人、わづかに一字の跡を残して、はるかに万代の誉れをいたす。もろもろの芸能の中に、手跡まことにすぐれたり。
古今著聞集巻第七 能書第八 尺牘の書疏は千里の面目なりといへり凡六文八禅 のすかたをあらはす輩驚鸞反鵲のいきをひを ならふ人わつかに一字の跡をのこしてはるかに万代の ほまれをいたすもろもろの藝能の中に手跡まことに すくれたり/s198l