古今著聞集 和歌第六
後鳥羽院1)の御時、木工権頭孝道朝臣2)に御琵琶を作らせられけるを、世かはりにける時3)、やがてその琵琶をかの朝臣に預けられたりけるを、ほど経て御尋ねありければ、この琵琶に4)付けて奉りける、
塵(ちり)をこそすゑじと思ひし四つの緒に老いの涙をのごひつるかな
後鳥羽院御時木工権頭孝道朝臣に御琵琶をつくらせ られけるを世かはりにけるやかて其比也を彼朝臣にあ/s154l
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つけられたりけるを程へて御尋ありけれは此比也つけてたてまつりける ちりをこそすへしと思し四の緒に老の涙をのこひつるかな/s155r