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- 16 殷 帝武丁 @text:karakagami
- のゆゑ聖人窟とも申せり。かたがた聖人にてこそあるを、「聖人にはあらず」と申す人のあるこそ、いはれなく思え侍れ。 この御時、先祖をまつらるる。明日に蜚雉((底本「トフキジ」と読み仮名。))出で来たりて、鼎(
- 巻9第3話(113) 安養尼事 @text:senjusho
- 侍らずや。誰も、さるほどのいみじき人を、親しき方に持ちたらば、なにしにか、後世をもしそなはかすべきと思え侍れども、さらにかひなし。「さる智者・貴人を、兄にても((底本「も」なし。諸本により補う。))、弟にて
- 331 第八十七代の皇帝後嵯峨天皇と申すは土御門天皇の第三の皇子なり・・・ @text:chomonju
- ととすべきにこそ((「こそ」は底本「しそ」。諸本により訂正。))」と、昔より申し伝へたるもことわりに思え侍り。 ===== 翻刻 ===== 第八十七代の皇帝後嵯峨天皇と申は土御門天皇 の第三の
- 巻6第6話(54) 冨家殿事(春日御託宣) @text:senjusho
- し給ふべき人なれば、われ、ともなはず」と御託宣なりて、あがらせ給へりと、伝へ承はるに、かたじけなくぞ思え侍る。 これをもて思ふに、道心ある者をば、おほきに悦ばせ給ふなり。まことに一切の衆生をば、神仏は我子... 常をも知り、火宅をのがるるなかだちどもし侍るに、さこそ嬉しくも思し召すらめ。わが身にかへていとほしく思え侍らん独り子の、火の中に馳せ入り、煙に咽(むせ)び居たらんは、誰かこれを歎かざらん。また、火の中を走り
- 第11話 せみのを川の事 @text:mumyosho
- かる川やはある」とて、負けになり侍りにき。思ふ所ありて詠みて侍りしかど、かくなりにしかば、いぶかしく思え侍しほどに、「その度(たび)の判者、すべて心得ぬこと多かり」とて、また改めて顕昭法師に判ぜさせ侍りしと... ぞおぢて難ぜず侍りける。さりとも、『顕昭等が聞き及ばぬ名所あらむやは』と思ひて、ややもせば難じつべく思え侍りしかど、誰が歌とは知らねど、歌ざまのよろしく見えしかば、所おきてさやうに申して侍りしなり。これすで
- 巻4第5話(30) 顕基卿事 @text:senjusho
- 心集』に載せられて侍りしを、見侍りしに、そのこととなく、涙の落ちてあやしきに、発心の始めことに澄みて思え侍り。「忠臣、二君に仕へず」と云ふ、世俗の風儀を守りて、飾りをおろし、大原の奥に居をしめて行ひ給ひける、いとありがたくぞ侍る。 所がら、ことに澄みて思え侍る。長山、四方(よも)にめぐりて、わづかに爪木こる斧の音の山彦ひびき、峰の呼子鳥(よぶこどり)のひめ... 正。))の恵遠寺などの、しづかなるさまを聞くに、「かしこに住む身と、などかならざりけん」とくちをしく思え侍り。大原・小野里・吉野の奥の住居(すまゐ)こそ、あらまほしく思えて侍れ。「罪無くして配所の月を見ばや... る。大原の奥の糸すすき、露のよすがの秋来れば、さもこそ玉の緒をよはみ、末葉にすがり、かたぶくらめと、思え侍り。 ===== 翻刻 ===== 昔中納言顕基と申人いまそかりける後 冷泉院の御時朝に
- 巻6第19話(77) 師の礼ある事 @text:shaseki
- まことにおはしければ、若宮((鶴岡八幡宮若宮))の御告にや、師資の礼儀を存じ給ひけるこそ、ありがたく思え侍れ。 洛陽に、猫間の随乗房の上人と聞こえしは、渡宋の径山(きんざん)((径山寺))の仏法をとぶらひ
- 巻5 28 深草の御門は御隠れの後・・・ @text:towazu
- としつき)の心の信(しん)もさすがむなしからずや」と思ひ続けて、身のありさまを一人思ひゐたるも飽かず思え侍る上、修行の心ざしも、西行が修行の式((底本「修行のしき」。[[towazu1-37|1-37]]に... ちしかば、その思ひをむなしくなさじばかりに、かやうのいたづらごとを続け置き侍るこそ、後の形見とまでは思え侍らぬ。 >本云 >ここよりまた刀して切られて候ふ。おぼつかなう、いかなることにかと思えて候ふ((「
- 巻5 25 その後いぶせからぬほどに申し承りけるも昔ながらの心地するに・・・ @text:towazu
- ふにも、「まして、いかなる道に、一人迷ひおはしますらん」など思ひやり奉るも、今初めたるさまに、悲しく思え侍るに、つとめて万里小路の大納言師重((北畠師重))のもとより、「近きほどにこそ。夜べの御あはれ、いか
- 巻5 16 九月十五日より東山双林寺といふあたりにて懺法を始む・・・ @text:towazu
- こしやうりやうじやうとうしやうがく)」とのみ、寝ても覚めても申さるるこそ、宿縁もあはれに、われながら思え侍りしか。清水山((音羽山))の鹿の音は、わが身の友と聞きなされ、籬(まがき)の虫の声々は、涙言問ふと
- 巻5 7 年も返りぬればやうやう都の方へ思ひ立たむとするに余寒なほはげしく・・・ @text:towazu
- します中務の宮((宗尊親王))の姫宮の御傅(めのと)なるゆゑに、さやうのあたりをも思ひけるにや」とぞ思え侍りし。 これより備中荏原といふ所へまかりたれば、盛りと見ゆる桜あり。一枝折りて送りの者につけて、広
- 巻3 35 またの日は行幸還御の後なれば衛府の姿もいとなく・・・ @text:towazu
- るに、「変態繽紛(へんたいひんぷん)たり」と、両院の付け給ひしかば、「水の下にも耳驚くものや」とまで思え侍りし。 釣殿遠く漕ぎ出でて見れば、旧苔(きうたい)年経たる松の枝さしかはしたるありさま、庭の池水、
- 巻1 25 暮るれば今宵はいたく更かさでおはしたるさへそら恐しく・・・ @text:towazu
- 思えて、いと口惜し。 「とかくのあらましごとも、まねばむもなかなかにて、もらしぬるも念なく」とさへ思え侍れども、事柄もむつかしければ、「とくだに静まりなん」と思ひて寝たるに、門(かど)いみじく叩きて来る人
- 巻3第1話(21) 癲狂人の利口の事 @text:shaseki
- まへず、ただ、かかるべき習ひとのみ、思ひなれたり。かへすがへすも愚かなり。勝軍論師の言、肝に染みてぞ思え侍る。 まことに、仏道を行ぜんと思はん人、世間の妄縁を厭(いと)ひ、菩提の知識に近付くべし。こ のゆ
- 巻1 40 更けぬれば御前なる人もみな寄り臥したる・・・ @text:towazu
- せ給ひて、「桜は匂ひは美しけれども、枝もろく、折りやすき花にてある」など仰せありしぞ、「さればよ」と思え侍りし。 日高くなるまで御殿籠りて、昼といふばかりになりて、おどろかせおはしまして、「けしからず。今