全文検索:
- 1 人知れぬうき身にしげき思ひぐさ思へば君ぞ種はまきける
- (在原業平))は、「わが身ひとつはもとの身にして(([[:text:ise:sag_ise004|『伊勢物語』第四段]]参照。))」と悲しびき。敏行(としゆき)の兵衛督(ひやうゑのかみ)((藤原敏行))は、「夢の通路人目よくらむ」と恨みたり。「三輪の山いかにまち見ん」は伊勢が言葉なり。「色見えでうつろふもの」は小町((小野小町))が思ひなるべし。 さぞな昔の人だにも、か
- 34 君が宿の梢にかよふ鳥ならば思ふ心を行きてさへづれ
- こずゑ)に飛びかよふにつけても、「ありやなしや(([[:text:ise:sag_ise009d|『伊勢物語』9段]]「名にしおはばいざこと問はん都鳥わが思ふ人はありやなしやと」))」と問ひけん心の内も推
- 49 歎きつつ春は昔に変はらずといひけん人をよそにやは聞く
- て、うち臥したりしかば、五条わたりの西の対(たい)(([[text:ise:sag_ise004|『伊勢物語』第四段]]参照。))にても限りあれば、これほどはあらじと覚えて、 歎きつつ春は昔に変はら
- 50 何とかは濡るる袂に驚かむ袖にみなとの騒ぐなる夜に
- 袖にみなとの騒ぐかな、もろこし船も寄りぬばかりに(([[:text:ise:sag_ise026|『伊勢物語』第26段]]参照。))」と、なに心なくうちながめて過ぎしかば、折から耳にとまりて、 何とか