text:yomeiuji:uji193
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text:yomeiuji:uji193 [2014/04/22 12:40] – 作成 Satoshi Nakagawa | text:yomeiuji:uji193 [2017/10/07 21:50] – [第193話(巻15・第8話)相応和尚、都卒天に上る事(付、染殿后・・・] Satoshi Nakagawa | ||
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- | ====== 第193話(巻15・第8話)相応和尚、都卒天に上る事(付、染殿后祈り奉る事) | + | 宇治拾遺物語 |
+ | ====== 第193話(巻15・第8話)相応和尚、都卒天に上る事(付、染殿后・・・====== | ||
**相応和尚上都卒天事(付染殿后奉祈事)** | **相応和尚上都卒天事(付染殿后奉祈事)** | ||
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しばしあれば、宮、紅の御衣二斗にをしつつまれて、鞠のごとく簾中よりころび出させ給て、和尚の前の簀子に投置たてまつる。人々さはぎて、「いと見ぐるし。内へ入たてまつりて、和尚も御前に候へ」といへども、和尚、「かかるかたいの身にて候へば、いかでかまかりのぼるべき」とて更のぼらず。はじめ召あげられざりしを、やすからずいきどをり思て、ただ簀子にて宮を四五尺あげて打奉る。人々、しわびて御几帳どもをさしおしてたてかくし、中門をさして人をはらへども、きはめて顕露なり。四五度斗打奉て、投入投入祈ければ、もとのごとく内へ投入つ。 | しばしあれば、宮、紅の御衣二斗にをしつつまれて、鞠のごとく簾中よりころび出させ給て、和尚の前の簀子に投置たてまつる。人々さはぎて、「いと見ぐるし。内へ入たてまつりて、和尚も御前に候へ」といへども、和尚、「かかるかたいの身にて候へば、いかでかまかりのぼるべき」とて更のぼらず。はじめ召あげられざりしを、やすからずいきどをり思て、ただ簀子にて宮を四五尺あげて打奉る。人々、しわびて御几帳どもをさしおしてたてかくし、中門をさして人をはらへども、きはめて顕露なり。四五度斗打奉て、投入投入祈ければ、もとのごとく内へ投入つ。 | ||
- | 其後、和尚まかりいで、「しばし候へ」と留れども、久く立て、「腰いたく候」とて、耳にもきき入ずして出ぬ。「験徳あらたなり」とて、僧都に任べきよし、宣下せらるれども、「かやうのかたいは何条僧綱に成べき」とて、返し奉る。 | + | 其後、和尚まかりいで、「しばし候へ」と留れども、久く立て、「腰いたく候」とて、耳にもきき入ずして出ぬ。宮は投入られて後、御物気さめて、御心ちさはやかになり給ぬ。「験徳あらたなり」とて、僧都に任べきよし、宣下せらるれども、「かやうのかたいは何条僧綱に成べき」とて、返し奉る。 |
其後も召されども、「京は人を賤うす所なり」とて更にまいらざりけるとぞ。 | 其後も召されども、「京は人を賤うす所なり」とて更にまいらざりけるとぞ。 | ||
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text/yomeiuji/uji193.txt · 最終更新: 2019/12/05 11:33 by Satoshi Nakagawa