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text:yomeiuji:uji181

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text:yomeiuji:uji181 [2019/11/30 17:27] Satoshi Nakagawatext:yomeiuji:uji181 [2025/06/22 15:33] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa
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 これも今は昔、白河院((白河天皇))の御時、北面(きたおもて)の雑仕(ざふし)に、うるせき女ありけり。名をば六とぞいひける。殿上人ども、もてなし興じけるに、雨うちそぼ降りて、つれづれなりける日、ある人、「六呼びて、つれづれなぐさめん」とて、使をやりて、「六呼びて来(こ)」と言ひけるに、ほどもなく、「六召して参りて候ふ」と言ひければ、「あなたより、内の出居(でゐ)の方へ具して来」と言ひければ、侍(さぶらひ)出で来て、「こなたへ参り給へ」と言へば、「便(びん)なく候ふ」など言へば、侍帰り来て、「召し候へば、『便なく候ふ』と申して、恐れ申し候ふなり」と言へば、「つきみて言ふにこそ」と思ひて、「などかくは言ふぞ。『ただ来(こ)』と言へ」と言へども、「僻事(ひがごと)にてこそ候ふらめ。先々も内・御出居などへ参ることも候はぬに」と言ひければ、この多くゐたる人々、「ただ参り給へ。やうぞあるらん」と責めければ、「ずちなき恐れに候へども、召しにて候へば」とて参る。 これも今は昔、白河院((白河天皇))の御時、北面(きたおもて)の雑仕(ざふし)に、うるせき女ありけり。名をば六とぞいひける。殿上人ども、もてなし興じけるに、雨うちそぼ降りて、つれづれなりける日、ある人、「六呼びて、つれづれなぐさめん」とて、使をやりて、「六呼びて来(こ)」と言ひけるに、ほどもなく、「六召して参りて候ふ」と言ひければ、「あなたより、内の出居(でゐ)の方へ具して来」と言ひければ、侍(さぶらひ)出で来て、「こなたへ参り給へ」と言へば、「便(びん)なく候ふ」など言へば、侍帰り来て、「召し候へば、『便なく候ふ』と申して、恐れ申し候ふなり」と言へば、「つきみて言ふにこそ」と思ひて、「などかくは言ふぞ。『ただ来(こ)』と言へ」と言へども、「僻事(ひがごと)にてこそ候ふらめ。先々も内・御出居などへ参ることも候はぬに」と言ひければ、この多くゐたる人々、「ただ参り給へ。やうぞあるらん」と責めければ、「ずちなき恐れに候へども、召しにて候へば」とて参る。
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 この六、後に聞きて笑ひけりとか。 この六、後に聞きて笑ひけりとか。
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text/yomeiuji/uji181.1575102468.txt.gz · 最終更新: by Satoshi Nakagawa