text:yomeiuji:uji149
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text:yomeiuji:uji149 [2014/04/17 18:37] – 作成 Satoshi Nakagawa | text:yomeiuji:uji149 [2019/10/08 21:52] (現在) – Satoshi Nakagawa | ||
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- | ====== 第147話(巻12・第13話)貫之、哥の事 ====== | + | 宇治拾遺物語 |
+ | ====== 第149話(巻12・第13話)貫之、歌の事 ====== | ||
**貫之哥事** | **貫之哥事** | ||
- | **貫之、哥の事** | + | **貫之、歌の事** |
- | 今は昔、貫之の土左守になりて、くだりて有ける程に、任はてのとし、七八ばかりの子の、えもいはずおかしげなるを、かぎりなくかなしうしけるが、とかくわづらひて失にければ、泣まどひて、やまひづく斗おもひこがるる程に、月比になりぬれば、「かくてのみあるべき事かは。のぼりなん」とおもふに、「ちごのここにてなにとありしはや」など思いでられて、いみじうかなしかりければ、柱に書付ける | + | ===== 校訂本文 ===== |
- | 宮こへとおもふにつけてかなしきはかへらぬ人のあればなりけり | + | 今は昔、貫之((紀貫之))の土佐守になりて、下りてありけるほどに、任果ての年、七・八ばかりの子の、えもいはずをかしげなるを、かぎりなくかなしうしけるが、とかくわづらひて失せにければ、泣き惑ひて、病(やまひ)づくばかり思ひこがるるほどに、月ごろになりぬれば、「かくてのみあるべきことかは。上りなん」と思ふに、「児(ちご)のここにて何とありしはや」など思ひ出でられて、いみじう悲しかりければ、柱に書き付けける |
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+ | 都へと思ふにつけて悲しきは帰らぬ人のあればなりけり | ||
+ | |||
+ | と書き付けたりける歌なん、今までありける。 | ||
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+ | ===== 翻刻 ===== | ||
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+ | 今は昔貫之の土左守になりてくたりて有ける程に任はての | ||
+ | とし七八はかりの子のえもいはすおかしけなるをかきりなくかなしう | ||
+ | しけるかとかくわつらひて失にけれは泣まとひてやまひつく斗 | ||
+ | おもひこかるる程に月比になりぬれはかくてのみあるへき事かは | ||
+ | のほりなんとおもふにちこのここにてなにとありしはやなと思いて | ||
+ | られていみしうかなしかりけれは柱に書付ける | ||
+ | | ||
+ | とかきつけたりける歌なんいままてありける/下58ウy370 | ||
- | と、かきつけたりける歌なん、いままでありける。 |
text/yomeiuji/uji149.1397727423.txt.gz · 最終更新: 2014/04/17 18:37 by Satoshi Nakagawa