text:yomeiuji:uji072
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| これも今は昔、大膳亮大夫橘以長といふ蔵人の五位ありけり。宇治左大臣殿((藤原頼長))より召しありけるに、「今明日は、かたき物忌みをつかまるつこと候ふ」と申したりければ、「こはいかに、世にある者の、物忌みといふことやはある。たしかに参れ」と、召し厳しかりければ、恐れながら参りにけり。 | これも今は昔、大膳亮大夫橘以長といふ蔵人の五位ありけり。宇治左大臣殿((藤原頼長))より召しありけるに、「今明日は、かたき物忌みをつかまるつこと候ふ」と申したりければ、「こはいかに、世にある者の、物忌みといふことやはある。たしかに参れ」と、召し厳しかりければ、恐れながら参りにけり。 | ||
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| 「御物忌あり」とこの以長聞きて、急ぎ参りて、土戸より参らんとするに、舎人二人居て、「『人な入れそ』と候ふ」とて、立ち向ひたりければ、「やうれ、おれらよ。召されて参るぞ」と言ひければ、これらもさすがに職事にて、常に見れば、力及ばで、入れつ。 | 「御物忌あり」とこの以長聞きて、急ぎ参りて、土戸より参らんとするに、舎人二人居て、「『人な入れそ』と候ふ」とて、立ち向ひたりければ、「やうれ、おれらよ。召されて参るぞ」と言ひければ、これらもさすがに職事にて、常に見れば、力及ばで、入れつ。 | ||
| - | 参りて、蔵人所に居て、何ともなく声高に、もの言ひ居たりけるを、左府、聞かせ給ひて「このもの言ふは誰(たれ)ぞ」と問はせ給ひければ、盛兼、申すやう、「以長に候ふ」と申しければ、「いかに、かばかりかたき物忌みには、夜部(よべ)より参りこもりたるかと尋ねよ」と仰せければ、行きて、仰せの旨を言ふに、蔵人所は御前より近かりけるに、「くわ、くわ」と大声して、憚らず申すやう、「過候ひぬるころ、わたくしに物忌つかまつりて候ひしに、召され候ひき。物忌のよしを申し候ひしを、物忌みといふことやはある。たしかに参るべきよし、仰せ候ひしかば、参り候ひにき。されば、物忌といふことは候はぬと知りて候ふなり」と申しければ、聞かせ給ひて、うちうなづきて、ものも仰せられでやみにけりとぞ。 | + | 参りて、蔵人所に居て、何ともなく声高に、もの言ひ居たりけるを、左府、聞かせ給ひて「このもの言ふは誰(たれ)ぞ」と問はせ給ひければ、盛兼、申すやう、「以長に候ふ」と申しければ、「いかに、かばかりかたき物忌みには、夜部(よべ)より参りこもりたるかと尋ねよ」と仰せければ、行きて、仰せの旨を言ふに、蔵人所は御前より近かりけるに、「くわ、くわ」と大声して、憚らず申すやう、「過ぎ候ひぬるころ、わたくしに物忌つかまつりて候ひしに、召され候ひき。物忌のよしを申し候ひしを、物忌みといふことやはある。たしかに参るべきよし、仰せ候ひしかば、参り候ひにき。されば、物忌といふことは候はぬと知りて候ふなり」と申しければ、聞かせ給ひて、うちうなづきて、ものも仰せられでやみにけりとぞ。 |
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text/yomeiuji/uji072.1522827530.txt.gz · 最終更新: by Satoshi Nakagawa
