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text:yomeiuji:uji030 [2017/12/21 00:01] – [第30話(巻2・第12話)唐、卒都婆に血付く事] Satoshi Nakagawatext:yomeiuji:uji030 [2025/05/01 22:31] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa
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 昔、唐土(もろこし)に大きなる山ありけり。その山の頂(いただき)に大きなる卒塔婆一つ建てりけり。 昔、唐土(もろこし)に大きなる山ありけり。その山の頂(いただき)に大きなる卒塔婆一つ建てりけり。
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 これを見て、血付けし男ども、手を打ちて笑ひなどするほどに、そのことともなく、ざざめき、ののしりあひたり。「風の吹き来るか、雷の鳴るか」と怪しむほどに、空もつつ闇になりて、あさましく、恐しげにて、この山、揺ぎたちにけり。「こはいかに。こはいかに」とののしりあひたるほどに、ただ崩れに崩れもてゆけば、「女はまことしけるものを」など言ひて逃げ、逃げ得たる者もあれども、親の行方も知らず、子をも失なひ、家の物の具も知らずなどして、をめき叫び合ひたり。この女一人ぞ、子・孫も引き具して、家の物の具、一つも失なはずして、かねて逃げ退きて、静かに居たりける。 これを見て、血付けし男ども、手を打ちて笑ひなどするほどに、そのことともなく、ざざめき、ののしりあひたり。「風の吹き来るか、雷の鳴るか」と怪しむほどに、空もつつ闇になりて、あさましく、恐しげにて、この山、揺ぎたちにけり。「こはいかに。こはいかに」とののしりあひたるほどに、ただ崩れに崩れもてゆけば、「女はまことしけるものを」など言ひて逃げ、逃げ得たる者もあれども、親の行方も知らず、子をも失なひ、家の物の具も知らずなどして、をめき叫び合ひたり。この女一人ぞ、子・孫も引き具して、家の物の具、一つも失なはずして、かねて逃げ退きて、静かに居たりける。
  
-かくてこの山みなくづれて、ふかき海と成にければ、これをあざけり笑し物どもは、皆死けり。あさましき事なりかし。+かくてこの山みなくづれて、ふかき海と成にければ、これをあざけり笑し物どもは、皆死けり。あさましき事なりかし。
  
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text/yomeiuji/uji030.1513782097.txt.gz · 最終更新: by Satoshi Nakagawa