text:yomeiuji:uji025
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| text:yomeiuji:uji025 [2017/11/11 21:40] – Satoshi Nakagawa | text:yomeiuji:uji025 [2025/05/01 18:17] (現在) – Satoshi Nakagawa | ||
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| 行 5: | 行 5: | ||
| **鼻長き僧の事** | **鼻長き僧の事** | ||
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| + | ===== 校訂本文 ===== | ||
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| 昔、池の尾に、禅珍内供といふ僧、住みける。真言なんどよく習ひて、年久く行ひて、貴(たふと)かりければ、世の人々、さまざまの祈りをせさせければ、身の徳豊かにて、堂も僧坊も、少しも荒れたる所なし。仏供・御燈(みあかし)なども絶えず、をりふしの僧膳・寺の講演、しげく行はせければ、寺中の僧坊にひまなく僧も住み、にぎはひけり。湯屋には湯沸かさぬ日なく、浴(あ)みののしりけり。また、そのあたりに、小家ども多く出できて、里もにぎはひけり。 | 昔、池の尾に、禅珍内供といふ僧、住みける。真言なんどよく習ひて、年久く行ひて、貴(たふと)かりければ、世の人々、さまざまの祈りをせさせければ、身の徳豊かにて、堂も僧坊も、少しも荒れたる所なし。仏供・御燈(みあかし)なども絶えず、をりふしの僧膳・寺の講演、しげく行はせければ、寺中の僧坊にひまなく僧も住み、にぎはひけり。湯屋には湯沸かさぬ日なく、浴(あ)みののしりけり。また、そのあたりに、小家ども多く出できて、里もにぎはひけり。 | ||
| 行 17: | 行 21: | ||
| 内供、大きに腹立ちて、頭・顔にかかりたる粥を、紙にてのごひつつ、「おのれはまがまがしかりける心持ちたるものかな。心なしのかたゐとは、おのれがやうなる者をいふぞかし。われならぬ、やごつなき人の御鼻にもこそ参れ、それにかくやせんずる。うたてなりける、心なしの痴れ者かな。おのれ、立て立て」とて、追ひ立てければ、立つままに、「世の人の、かかる鼻持ちたるがおはしもさばこそ、鼻なもたげにも参らめ。嗚呼(をこ)のことのたまへる御房かな」と言ひければ、弟子どもは、ものの後ろに逃げ退きてぞ笑ひける。 | 内供、大きに腹立ちて、頭・顔にかかりたる粥を、紙にてのごひつつ、「おのれはまがまがしかりける心持ちたるものかな。心なしのかたゐとは、おのれがやうなる者をいふぞかし。われならぬ、やごつなき人の御鼻にもこそ参れ、それにかくやせんずる。うたてなりける、心なしの痴れ者かな。おのれ、立て立て」とて、追ひ立てければ、立つままに、「世の人の、かかる鼻持ちたるがおはしもさばこそ、鼻なもたげにも参らめ。嗚呼(をこ)のことのたまへる御房かな」と言ひければ、弟子どもは、ものの後ろに逃げ退きてぞ笑ひける。 | ||
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| + | ===== 万治二年版本挿絵 ===== | ||
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| ===== 翻刻 ===== | ===== 翻刻 ===== | ||
text/yomeiuji/uji025.1510404057.txt.gz · 最終更新: by Satoshi Nakagawa
