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text:yomeiuji:uji000 [2014/09/27 17:05] Satoshi Nakagawatext:yomeiuji:uji000 [2025/04/28 00:44] (現在) Satoshi Nakagawa
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 ====== 序 ====== ====== 序 ======
  
-世に宇治大納言物語といふ物あり。此大納言は隆国といふ人なり。西宮殿(高明也)の孫、俊賢大納言の第二の男なり。年たかうなりては、あつさをわびて、いとまを申して、五月より八月までは、平等院一切経蔵の南の山ぎはに、南泉房と云所にこもりゐミ[傍書”ら”]れけり。さて、宇治大納言とはきこえけり。+===== 校訂本文 =====
  
-もとどりをゆひわげて、□□□□むしろをいたにしきて、□□□□□□□大なる打輪を□□□□□□□□、上中下をいはず□□□□□□□□□□□□□□、昔物語をせさせて、我は内にそひふして、かたるにしたがひて、おほきなる双紙にかかれけり。+[[index.html|『宇治拾遺物語』TOP]] [[uji001|NEXT>>]]
  
-天竺の事あり、大唐事もあり、日本事もあり、それがうちに、たうき事もあり、おかしき事もあり、おそろしき事もあり、あはれる事もあり、きたなき事もあり、少々はそら物語もあり、利口なる事もあり。さまざま様様なり。+世に宇治大納言物語といふものあり。こ大納言は隆国((源隆国))いふ人なり。西宮殿(高明也)((源高明))の孫俊賢大納言((源俊賢))の第二の男なり。
  
-世の人、これをけじみる。十四帖なり。その正本は、つたはりて、侍従俊貞ととにぞありけ+年高うなりは、暑さをわびて、暇(とま)を申て、五月より八月までは、平等院一切経蔵南の山ぎはに、南泉房いふ所こも居られり。さて、宇治大納言とは聞こえけり
  
-いかになにけるにか後にさかしき人々か入れたあひだ、物語おほくなり。大納言より後の事かき入たる本もあるこそ+髻(もとど)を結ひ曲(わ)げて□□□□□、筵(むろ)を板に敷て、□□□□□□□□、大打輪(うちわ)を、□□□□□□□□□□□□□、上中下をいはず物語をせさせて、わは内にそひ臥して語るにしがひて、大きな双紙書かれけり
  
-さるに、いまの世に又物たりかきいれたるきたれり大納言の物語にもれたるをひろひあつめ又厥后の事など、かきあつめたるものなる名を宇治拾遺の物語と云+天竺の事もあり、大唐の事もあり、日本の事もあり。それがうちに、貴き事もあり、をかし 
 +き事もあり、恐しき事もあり、あはれなる事もあり、汚なき事もあり、少々はそら物語もあり、利口なる事もあり、まざま様々(やうやう)なり。 
 + 
 +世の人、これを興じ見。十四帖なり。その正本は伝はりて、侍従俊貞といひし人のもとぞありける。いかになりにけるにか後に、さかしき人々書き入れたるあひだ、物語多くなれり。大納言より後のこと、書き入れたる本もあるにこそ。 
 + 
 +さるほどに、今の世に、また物語書き入れたる出で来たれり。大納言の物語に漏れたるを拾ひ集め、またその後のことなど書き集めたるなるべし。 
 + 
 +名を宇治拾遺の物語といふ。「宇治に遺(のこ)れるを拾ふ」と付けたるにや、また、侍従を 
 +拾遺といへば、侍従大納言侍るを学びて、□□といふ事しりかたし□□□□□にや、おぼつかなし。 
 + 
 +[[index.html|『宇治拾遺物語』TOP]] [[uji001|NEXT>>]] 
 + 
 +===== 翻刻 ===== 
 + 
 +  世に宇治大納言物語といふ物あり此大納言は隆国といふ 
 +  人なり西宮殿(高明也)の孫俊賢大納言の第二の男なり年 
 +  たかうなりてはあつさをわひていとまを申て五月より八 
 +  月まては平等院一切経蔵の南の山きはに南泉房と云 
 +  所にこもりゐられけりさて宇治大納言とはきこえけりも 
 +  ととりをゆひわけて□□□□□むしろをいたにしきて 
 +  □□□□□□□□大なる打輪を□□□□□□□□□□ 
 +  □□□上中下をいはす 
 +  昔物語をせさせて我は内にそひふしてかたるにしたかひて 
 +  おほきなる双紙にかかれけり天竺の事もあり大唐の事も 
 +  あり日本の事もありそれかうちにたうとき事もありおかし 
 +  き事もありおそろしき事もありあはれなる事もあり/上4ウy12 
 + 
 +  きたなき事もあり少々はそら物語もあり利口なる事もあり 
 +  さまさま様々なり世の人これをけうしみる十四帖なりその正本はつ 
 +  たはりて侍従俊貞といひし人のもとにそありけるいかになり 
 +  にけるにか後にさかしき人々かき入たるあひた物語おほく 
 +  なれり大納言より後の事かき入たる本もあるにこそさる 
 +  程にいまの世に又物たりかきいれたるいきたれり 
 +  大納言の物語にもれたるをひろひあつめ又厥后の事 
 +  かきあつめたるなるし名を宇治拾遺の物語と云 
 +  宇治にのこれるをひろふとつけたるにや又侍従を 
 +  拾遺といへは侍従大納言はへるをまなひて 
 +  □□といふ事しりかたし□□□□□にやおほつかなし/上5オy13  
  
-宇治にのこれるをひろふとつけたるにや、又、侍従を拾遺といへば、侍従大納言はべるをまなびて、□□といふ事しりがたし。□□□□にや、おぼつかなし。 
  
 ===== 参考(万治二年版本) ===== ===== 参考(万治二年版本) =====
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 さるほどにいまのよに又物かたりかきいれたるいできたれり。大納言の物語にもれたるをひろひあつめ。またその後の事などをかきあつめたるなるべし。名を宇治拾遺の物語といふ。宇治にのこれるをひろふとつけたるにや又侍従を拾遺といへば、宇治拾遺物がたりといへるにや。差別しりがたしおぼつかなし。 さるほどにいまのよに又物かたりかきいれたるいできたれり。大納言の物語にもれたるをひろひあつめ。またその後の事などをかきあつめたるなるべし。名を宇治拾遺の物語といふ。宇治にのこれるをひろふとつけたるにや又侍従を拾遺といへば、宇治拾遺物がたりといへるにや。差別しりがたしおぼつかなし。
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text/yomeiuji/uji000.1411805144.txt.gz · 最終更新: by Satoshi Nakagawa