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徒然草
第210段 喚子鳥は春のものなりとばかり言ひて・・・
校訂本文
「喚子鳥(よぶこどり)は春のものなり」とばかり言ひて、いかなる鳥とも、定かに記せるものなし。
ある真言書の中に、喚子鳥鳴く時、招魂の法をば行ふ次第あり。これは鵺(ぬえ)なり。万葉集の長歌に、「霞立つ長き春日の」など続けたり。鵺鳥も喚子鳥のことざまに通ひて聞こゆ。
翻刻
喚子鳥は春の物なり。とばかりいひて。如何/k2-52r
なる鳥とも。さだかにしるせる物なし。 ある真言書の中に。喚子鳥なく時招 魂の法をばをこなふ次第あり。これは 鵺也。万葉集の長歌に。霞たつな がき春日のなどつづけたり。鵺鳥も喚 子鳥のことさまにかよひてきこゆ/k2-52l
http://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/he10/he10_00934/he10_00934_0002/he10_00934_0002_p0052.jpg
text/turezure/k_tsurezure210.txt.txt · 最終更新: 2018/10/25 23:34 by Satoshi Nakagawa