ユーザ用ツール

サイト用ツール


text:turezure:k_tsurezure143.txt
no way to compare when less than two revisions

差分

このページの2つのバージョン間の差分を表示します。


text:turezure:k_tsurezure143.txt [2018/09/15 17:54] (現在) – 作成 Satoshi Nakagawa
行 1: 行 1:
 +徒然草
 +====== 第143段 人の終焉のありさまのいみじかりしことなど人の語るを聞くに・・・ ======
 +
 +===== 校訂本文 =====
 +
 +人の終焉のありさまのいみじかりしことなど、人の語るを聞くに、ただ、「閑(しづ)かにして乱れず」と言はば心にくかるべきを、愚かなる人は、あやしく、異なる相を語りつけ、言ひし言葉も、振舞ひも、おのれが好むかたに讃めなすこそ、「その人の日ごろの本意にもあらずや」と思ゆれ。
 +
 +この大事は、権化の人も定むべからず。博学の士もはかるべからず。おのれ違(たが)ふ所なくば、人の見聞にはよるべからず。
 +
 +===== 翻刻 =====
 +
 +  人の終焉の有さまの。いみじかりし
 +  事など。人のかたるを聞に。ただ閑に/w2-13r
 +
 +  してみだれずといはば。心にくかるべきを。
 +  をろかなる人はあやしくことなる相を
 +  かたりつけ。いひし言葉もふるまひも。
 +  をのれがこのむかたにほめなすこそ。其
 +  人の日来の本意にもあらずやと覚ゆれ。
 +  此大事は権化の人もさだむべからず。博
 +  学の士もはかるべからず。をのれたがふ所
 +  なくは。人の見聞にはよるべからず/w2-13l
 +
 +http://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/he10/he10_00934/he10_00934_0002/he10_00934_0002_p0013.jpg
  
text/turezure/k_tsurezure143.txt.txt · 最終更新: 2018/09/15 17:54 by Satoshi Nakagawa