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徒然草
第99段 堀河相国は美男のたのしき人にてそのこととなく過差を好み給ひけり・・・
校訂本文
堀河相国1)は、美男のたのしき人にて、そのこととなく過差を好み給ひけり。
御子基俊卿2)を大理3)になして、庁務行はれけるに、「庁屋の唐櫃(からびつ)見苦し」とて、めでたく作り改めらるべきよし、仰せられけるに、この唐櫃は、上古より伝はりて、その始めを知らず。数百年を経たり。累代の公物、古弊をもちて規模とす。たやすく改められがたきよし、故実の諸官ら申しければ、そのことやみにけり。
翻刻
堀河相国は。美男のたのしき人にて。 そのこととなく。過差をこのみ給けり。御子/w1-72l
http://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/he10/he10_00934/he10_00934_0001/he10_00934_0001_p0072.jpg
基俊卿を大理になして。庁務おこな はれけるに。庁屋の唐櫃見ぐるし とて。めでたく作り改らるべきよし。仰 られけるに。此唐櫃は上古より伝りて 其始をしらず。数百年をへたり。累代 の公物古弊をもちて規模とす。たや すくあらためられがたきよし。故実 の諸官等申けれは。其事やみにけり/w1-73r
http://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/he10/he10_00934/he10_00934_0001/he10_00934_0001_p0073.jpg
text/turezure/k_tsurezure099.txt.txt · 最終更新: 2018/08/05 10:59 by 127.0.0.1