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+ | 徒然草 | ||
+ | ====== 第22段 何事も古き世のみぞしたはしき・・・ ====== | ||
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+ | ===== 校訂本文 ===== | ||
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+ | 何事も古き世のみぞしたはしき。今様(いまやう)は無下にいやしくこそ、なりゆくめれ。 | ||
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+ | かの木の道の匠(たくみ)の作れる、美しき器物(うつはもの)も、古代の姿こそ、をかしと見ゆれ。 | ||
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+ | 文の詞(ことば)などぞ、昔の反古どもはいみじき。ただ言ふ言葉も、口惜しうこそなりもてゆくなれ。「いにしへは、『車もたげよ』、『火かかげよ』とこそ言ひしを、今様の人は、『もてあげよ』、『かきあげよ』と言ふ。『主殿寮人、人数だて』と言ふべきを、『たちあかし、しろくせよ』と言ひ、最勝講御聴聞所なるをば、『ごかうのろ』とこそ言ふを、『かうろ』と言ふ。口惜し」とぞ、古き人は仰せられし。 | ||
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+ | ===== 翻刻 ===== | ||
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+ | なに事も。ふるき世のみぞしたはしき。今 | ||
+ | やうは无下にいやしくこそ成ゆくめれ。 | ||
+ | かの木の道のたくみのつくれる。うつく | ||
+ | しきうつは物も。古代の姿こそおかしと | ||
+ | 見ゆれ。文の詞などぞ。昔の反古どもは | ||
+ | いみじき。ただいふ言葉も口おしう | ||
+ | こそなりもてゆくなれ。いにしへは | ||
+ | 車もたげよ。火かかげよとこそいひし | ||
+ | を。今やうの人はもてあげよ。かきあげよ | ||
+ | といふ。主殿寮人人数だてといふべきを。/w1-19l | ||
+ | |||
+ | http:// | ||
+ | |||
+ | たちあかししろくせよといひ。最勝講 | ||
+ | 御聴聞所なるをば。こかうのろとこそいふ | ||
+ | を。かうろといふくちおしとぞふるき | ||
+ | 人はおほせられし/w1-20r | ||
+ | |||
+ | http:// | ||
text/turezure/k_tsurezure022.txt.txt · 最終更新: 2018/06/12 18:09 by 127.0.0.1