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- 第25話 四条大納言前栽つくろはせ給ひけるに・・・
- 世継物語 ====== 第25話 四条大納言前栽つくろはせ給ひけるに・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== 今は昔、四条大納言、前栽(せんざい)つくろはせ給ひけるに、心もなき物、撫子(なでしこ)を引き捨てたるを見給ひて、 すき... のあたりに寄せざらばこの常夏にね絶えましやは ===== 翻刻 ===== 今は昔四条大納言前栽つくろはせ給けるに心も なき物なてしこをひきすてたるを見給て すき物を花のあたりによせさ
- 第49話 博雅の三位といひける人はえもいはぬ琵琶の上手なり・・・
- 隠して、「え知らず」とて教えざりければ、心憂く思して、うらみて都へ帰て、夜な夜なみそかにおはしつつ、前栽の中に居たり。 かくしつつ、百夜になりにけり。「もし、これ知らずとて、隠したる手をや弾く」と思しけ... のいみじう明かきにうちながめつつ、この隠しつる手どもを、三つながらこそ弾きたりけれ。弾きはてさせて、前栽の中より出でたり。法師、「いとあさまし」と思ふ。この月ごろ、かうしつつ百夜になりぬるよしを言ふに、心... りの月のいみしうあかきに 打なかめつつ此かくしつる手共を三なからこそ引た りけれ引はてさせて前栽の中より出たり法師い と浅ましと思ふ此月比かうしつつ百夜に成ぬるよしを いふに心さしのふかき
- 第2話 和泉式部がもとに帥の宮通はせ給ひけるころ・・・
- ければ、「悲しくなりにけり」とて、心苦しうてやがておはしましたり。 女も月を詠めて端にゐたりけり。前栽の露きらきらと置きたるに、「人は草葉の露なれや」とのたまはするさま、優にめでたし。御扇に御文を入て、