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- 巻7第6話(83) 嫉妬の心無き人の事
- て、やさしき女房なりけり。心ざしや薄かりけん、「ことのついでを求めて、鎌倉へ送らばや」と思ひて、この前栽(せんざい)の鞠(まり)のかかりの四本の木を、一首に詠み給へ。ならずは送り奉るべし」と男に言はれて、... エ テヤサシキ女房ナリケリ心サシヤウスカリケン事ノ次テヲモトメ テ鎌倉ヘ送ラハヤト思ヒテコノ前栽ノ鞠ノカカリノ四本ノ木 ヲ一首ニヨミ給ヘナラスハヲクリタテマツルヘシト男ニイハレテ 桜サ
- 巻5第14話(50) 人の感ある和歌の事
- = 校訂本文 ===== 家隆((藤原家隆))の子息の禅師隆尊、坂東ここかしこ修行して、地頭の家の前栽((「前栽」は底本「前截」。諸本により訂正。))の桜を一枝折りて逃げけるを、主(あるじ)見付けて、「あの法師、捕らへよ」と、ことごとしくののしりければ、冠者原おはへてからめてけり。 禅師、不祥にあひて、
- 巻8第13話(106) 執心の堅固なるも仏法によりて臈る事
- 。))べし」と言ふ。因明外道法・内明仏法・声明・医法明・工巧明なり。 遠州に蓮養房といふ山寺法師、前栽に柿木を植ゑて、年ごろ愛しけるが、他界の後、弟子の僧、「この木を切りて湯木にせん」とて割りて見るに、