text:sesuisho:n_sesuisho2-005
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| text:sesuisho:n_sesuisho2-005 [2021/06/20 12:09] – 作成 Satoshi Nakagawa | text:sesuisho:n_sesuisho2-005 [2021/06/20 12:12] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa | ||
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| 河内の国、山のねきといふ所に、さのみ事も欠かで世を送る百姓ありしが、われとわが名を「畠山の右兵衛佐((「右兵衛佐」は底本「石兵衛佐」。諸本により訂正。))」と付き、慢じくすみ、いやおうの返答をうちければ、人みなをかしき者に言ひなし、褒貶(はうへん)はすれども、誰ありて無益(むやく)と教ふる者もなかりしに、親類の者ども聞きかね、あたりに物など読みたる僧のありけるを頼み、右兵衛佐と引き合はせ、つねづね出入りをいたしければ、麻にそふ蓬(よもぎ)はためざるに直くなるいはれにや((「いはれにや」は底本「あはれにや」。諸本により訂正。))、僧の教訓とあればそむかず、貴みあへり。 | 河内の国、山のねきといふ所に、さのみ事も欠かで世を送る百姓ありしが、われとわが名を「畠山の右兵衛佐((「右兵衛佐」は底本「石兵衛佐」。諸本により訂正。))」と付き、慢じくすみ、いやおうの返答をうちければ、人みなをかしき者に言ひなし、褒貶(はうへん)はすれども、誰ありて無益(むやく)と教ふる者もなかりしに、親類の者ども聞きかね、あたりに物など読みたる僧のありけるを頼み、右兵衛佐と引き合はせ、つねづね出入りをいたしければ、麻にそふ蓬(よもぎ)はためざるに直くなるいはれにや((「いはれにや」は底本「あはれにや」。諸本により訂正。))、僧の教訓とあればそむかず、貴みあへり。 | ||
| - | よきみぎりを見合はせて、僧の言はれけるは、「そちの名を畠山右兵衛佐といへば、何とやらん、言ひにくがるほどに、下を上になして、『山畠助兵衛』といふてはいかがあらうず」と直しければ、「ともかくも、悪しきことはよものたまはじ」とて合点しけり。 | + | よきみぎりを見合はせて、僧の言はれけるは、「そちの名を畠山右兵衛佐といへば、何とやらん言ひにくがるほどに、下を上になして、『山畠助兵衛』というてはいかがあらうず」と直しければ、「ともかくも、悪しきことはよものたまはじ」とて合点しけり。 |
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