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text:sesuisho:n_sesuisho1-095
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text:sesuisho:n_sesuisho1-095 [2021/05/09 14:26] (現在) – 作成 Satoshi Nakagawa
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 +[[index.html|醒睡笑]] 巻1 ふはとのる
 +====== 8 奉公人の果てとおぼしきが宿を借り四方山のことを語り尽しけり・・・ ======
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 +===== 校訂本文 =====
 +[[n_sesuisho1-094|<<PREV]] [[index.html|『醒睡笑』TOP]] [[n_sesuisho1-096|NEXT>>]]
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 +奉公人の果てとおぼしきが宿を借り、四方山のことを語り尽しけり。亭(てい)讃めて、「いかさまただの人とは見え候はず。もはや休み給へ。夜着を参らせんや」と言ふ。「いや、いかほどの野陣・山陣をしつけ、少々寒きことをば知らず。無用」と言うて、着のまま寝(い)ねけるが、夜更くるにしたがひ、ひた物寒し。
 +
 +時に、「亭主、亭主、これの鼠には、足を洗はせたか」と問ふ。「いや、さやうのことはなし」と答ふ。「それならば筵(むしろ)を一・二枚着せられよ。鼠が着た物を踏まば、むさからうずに」と。
 +
 +  身一つは山の奥にもありぬべしすまぬ心ぞ置き所なき
 +
 +[[n_sesuisho1-094|<<PREV]] [[index.html|『醒睡笑』TOP]] [[n_sesuisho1-096|NEXT>>]]
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 +===== 翻刻 =====
 +
 +  一 奉公人のはてとおほしきか宿をかり四方山
 +    の事をかたりつくしけり亭ほめていかさ
 +    またたの人とは見え候はすもはや休給へ
 +    夜着をまいらせんやといふいやいかほとの/n1-43r
 +
 +    野陣山陣をしつけせうせうさむき事
 +    をはしらす無用といふてきのままいねけ
 +    るか夜ふくるにしたかひひた物さむし時
 +    に亭主亭主是の鼠には足をあらはせたか
 +    ととふいやさやうの事はなしとこたふそれなら
 +    はむしろを一二枚きせられよ鼠がきた物
 +    をふまはむさからうずにと
 +     身ひとつは山の奥にもありぬへし
 +     すまぬこころそをき所なき/n1-43l
  
text/sesuisho/n_sesuisho1-095.txt · 最終更新: 2021/05/09 14:26 by Satoshi Nakagawa