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text:sanboe:ka_sanboe1-13e

三宝絵詞

上巻 13 施无(補)

このページは前田家本による底本の欠損部分です。

書き下し文

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仏、阿難に告げて言はく、「睒は我が身なり。その父母は今の浄飯王(じやうぼんのう)、今の摩耶夫人(まやぶにん)これなり。吾、かくの如く早く佛位に至れるは、父母の恩に依り、又孝養の力に依るなり。人に父母有り。孝せざるべからず。世に貴き道あり。学ばざるべからず。」と。

『菩薩睒経1)』並びに『六度集経』に見ゆるなり。

讃に曰はく、高き山に登らざる時は、天の高きを知らず。深谷に臨まざる時は、地の厚きを知らず。若し菩薩の三祇百劫の勤めを見ずは、何に縁りてか如来の六度万行の具はれるを知らむや。釈尊の昔の行ひ、貴きかな、悲しきかな。

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翻刻(『諸本対照三寶繪集成』による)

者佛告阿難言睒者我身也其父母者今浄飯王今摩
耶夫人是也吾如此早至佛位依父母恩又依孝養力也人有
父母不可不孝世有貴道不可不学見菩薩睒経并六度集経也
讃曰 不登高山時不知天高不臨深谷時不知地厚若不見菩薩/21オ
三祇百劫之勤縁何知如来六度万行之具尺尊昔行貴哉
悲哉/21ウ
1)
睒子経
text/sanboe/ka_sanboe1-13e.txt · 最終更新: 2024/08/13 12:35 by Satoshi Nakagawa