text:mumyosho:u_mumyosho056
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text:mumyosho:u_mumyosho056 [2014/10/03 19:14] – 作成 Satoshi Nakagawa | text:mumyosho:u_mumyosho056 [2014/10/11 00:18] (現在) – Satoshi Nakagawa | ||
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** 頼政歌道にすける事 ** | ** 頼政歌道にすける事 ** | ||
- | 俊恵いはく、「頼政卿はいみじかりける歌仙なり。心の底まで歌になりかへりて、常にこれを忘れず心にかけつつ、鳥の一声鳴き、風のそそと吹くにも、まして花の散り、葉((底本「柴」。諸本により訂正))の落ち、月の出入、雨・雪などの降るにつけても、立居(たちゐ)起き臥しに風情をめぐらさずといふことなし。まことに秀歌の出で来るも理(ことわり)とぞ思え侍りし。かかれば、しかるべき時名上げたる歌ども、多くは凝作((諸本「擬作」))にてありけるとかや。大方(おほかた)の会の座に連なりて、歌うち詠じ、良き悪しき理(ことわり)などせられたる気色(けしき)も、深く心に入れる事と見えていみじかりしかば、かの人のある座には何事もはえあるやうに侍りしなり」。 | + | 俊恵いはく、「頼政卿はいみじかりける歌仙なり。心の底まで歌になりかへりて、常にこれを忘れず心にかけつつ、鳥の一声鳴き、風のそそと吹くにも、まして花の散り、葉の落ち、月の出入、雨・雪などの降るにつけても、立居(たちゐ)起き臥しに風情をめぐらさずといふことなし。まことに秀歌の出で来るも理(ことわり)とぞ思え侍りし。かかれば、しかるべき時名上げたる歌ども、多くは擬作((底本「凝作」。諸本により訂正))にてありけるとかや。大方(おほかた)の会の座に連なりて、歌うち詠じ、良き悪しき理(ことわり)などせられたる気色(けしき)も、深く心に入れる事と見えていみじかりしかば、かの人のある座には何事もはえあるやうに侍りしなり」。 |
===== 翻刻 ===== | ===== 翻刻 ===== | ||
行 14: | 行 14: | ||
て哥になりかへりてつねにこれをわすれす心に | て哥になりかへりてつねにこれをわすれす心に | ||
かけつつ鳥の一声なき風のそそとふくにも | かけつつ鳥の一声なき風のそそとふくにも | ||
- | まして花のちり柴のをち月の出入あめ雪な | + | まして花のちり葉のをち月の出入あめ雪な |
とのふるにつけてもたちゐおきふしに風情 | とのふるにつけてもたちゐおきふしに風情 | ||
をめくらさすといふことなしまことに秀哥の/e48r | をめくらさすといふことなしまことに秀哥の/e48r |
text/mumyosho/u_mumyosho056.1412331240.txt.gz · 最終更新: 2014/10/03 19:14 by Satoshi Nakagawa