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text:mogyuwaka:ndl_mogyuwaka14-21

蒙求和歌

第14第21話(221) 管寧割席

校訂本文

管寧割席

管寧と華歆と、ともに書を読みけり。時に車に乗りて、ある人、門(かど)の前を過ぎけり。華歆、書(ふみ)を終(をは)で、立ち走りて、見けり。管寧、割席、「なんぢ、まさにわが友にはあらざりけり」とぞ言ひける。

花歆・邴原・管寧、この三人は友なり。世人、一龍と言へり。花歆を頭とし、邴原を腹とし、管寧を尾とせり。

また、華元、妻(め)におくれて、再び娶(めと)らず。曽参、これがために身を終へり。王駿、妻におくれて、二人があとを守れり。管寧も妻におくれて、昔をかへりみて、一人なむ住みける。

  秋風に宿もさだめぬ筵田(むしろだ)のいな葉の露に心をぞ置く

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管寧割席  〃〃ト華歆トトモニ書ヲヨミケリ/時ニ車ニノリテアル人カトノマヘヲスキ
ケリ花歆フミヲヲハテタチハシリテミケリ管寧割席
ナムチマサニワカトモニハアラサリケリトソイヒケル
花歆邴原管寧コノ三人ハ友ナリ世人一龍トイヘリ花
歆ヲ頭トシ邴原ヲ腹トシ管寧ヲ尾トセリ又花元
メニヲクレテフタタヒメトラス曽参コレカタメニシヲヲヘリ
王駿メニヲクレテフタリカアトヲマモレリ管寧モメニヲク
レテムカシヲカヘリミテヒトリナムスミケル
  秋風ニヤトモサタメヌムシロタノイナハノツユニココロヲソヲク/d2-46r
text/mogyuwaka/ndl_mogyuwaka14-21.txt · 最終更新: 2018/03/23 22:32 by Satoshi Nakagawa