text:mogyuwaka:ndl_mogyuwaka01-12
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text:mogyuwaka:ndl_mogyuwaka01-12 [2017/10/22 15:28] – [校訂本文] Satoshi Nakagawa | text:mogyuwaka:ndl_mogyuwaka01-12 [2017/10/23 22:56] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa | ||
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春の日照り水絶えて、東作を忘れ、秋は風荒く蝗(いなご)ふりて、西収怠れり。道を知る人なかりければ、行ふところ乱れて、国治まれる時なし。民疲れ、兵(つはもの)飢ゑて、金一両が値(あたひ)の米、三升になりぬ。 | 春の日照り水絶えて、東作を忘れ、秋は風荒く蝗(いなご)ふりて、西収怠れり。道を知る人なかりければ、行ふところ乱れて、国治まれる時なし。民疲れ、兵(つはもの)飢ゑて、金一両が値(あたひ)の米、三升になりぬ。 | ||
- | この時、龔勝、深くこもり居ぬ。王莽、龔勝を講学に祭酒になして使はむとすれども、病のよしを答へてしたがはず。後に、大師の印綬をもつて、郡の守、龔勝が里に入りて詔を致す。重く煩へるよしを申して、東頭にして、朝服を着て、使に語りていはく、「われ、漢の厚恩受けて、報ひむと思ふに、年すでに老ひにたり。豈に一身をもつて二姓に事(つか)へて、故主に下見せんや。朝に来たり、夕に来たりて誘(いざな)ふとも、出づべからず」と言ひて、まさに従はず。 | + | この時、龔勝、深くこもり居ぬ。王莽、龔勝を講学に祭酒になして使はむとすれども、病のよしを答へてしたがはず。後に、大師の印綬をもつて、郡の守、龔勝が里に入りて詔を致す。重く煩へるよしを申して、東頭にして、朝服を着て、使に語りていはく、「われ、漢の厚恩受けて、報いむと思ふに、年すでに老ひにたり。豈に一身をもつて二姓に事(つか)へて、故主に下見せんや。朝に来たり、夕に来たりて誘(いざな)ふとも、出づべからず」と言ひて、まさに従はず。 |
また、仁承君といふ賢人あり。身をたばふ心ありて、王莽に従はずしてこもりぬ。しきりに召し出ださむとすれども、偽り清盲を作りて出でず。親しき踈き、皆まことと思へり。 | また、仁承君といふ賢人あり。身をたばふ心ありて、王莽に従はずしてこもりぬ。しきりに召し出ださむとすれども、偽り清盲を作りて出でず。親しき踈き、皆まことと思へり。 |
text/mogyuwaka/ndl_mogyuwaka01-12.1508653727.txt.gz · 最終更新: 2017/10/22 15:28 by Satoshi Nakagawa