text:kohon:kohon062
差分
このページの2つのバージョン間の差分を表示します。
| 次のリビジョン | 前のリビジョン | ||
| text:kohon:kohon062 [2014/06/10 23:50] – 作成 Satoshi Nakagawa | text:kohon:kohon062 [2025/12/15 13:47] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa | ||
|---|---|---|---|
| 行 1: | 行 1: | ||
| + | 古本説話集 | ||
| ====== 第62話 和泉国の国分寺の住持、吉祥天女に艶寄する事 ====== | ====== 第62話 和泉国の国分寺の住持、吉祥天女に艶寄する事 ====== | ||
| 行 6: | 行 7: | ||
| ===== 校訂本文 ===== | ===== 校訂本文 ===== | ||
| + | |||
| + | [[kohon061|<< | ||
| 今は昔、和泉の国国分寺(こくぶでら)に鐘撞き法師ありけり。鐘撞き歩(あり)きけるに、吉祥天のおはしましけるを、見奉るだに思ひかけ奉りて、かき抱き奉り、引き抓み奉り、口吸ふ真似などして月ごろ経るほどに、夢に見るやう、鐘撞きに上りたるに、例の事なれば、吉祥天をまさぐり奉るに、うちはたらきてのたまふやう、「わ法師の、月ごろ我を思ひかけて、かくする。いとあはれなり。我、汝が妻(め)にならむ。その月のその日、播磨の印南野(いなみの)にかならず来会へ。そこにてぞ会はむずる」と見て覚めて、うれしきこと限りなし。物仰せられつる御顔の、現(うつつ)のやうに面影に立ちて見えさせ給へば、「いつしか、その月日になれかし」とおぼゆ。 | 今は昔、和泉の国国分寺(こくぶでら)に鐘撞き法師ありけり。鐘撞き歩(あり)きけるに、吉祥天のおはしましけるを、見奉るだに思ひかけ奉りて、かき抱き奉り、引き抓み奉り、口吸ふ真似などして月ごろ経るほどに、夢に見るやう、鐘撞きに上りたるに、例の事なれば、吉祥天をまさぐり奉るに、うちはたらきてのたまふやう、「わ法師の、月ごろ我を思ひかけて、かくする。いとあはれなり。我、汝が妻(め)にならむ。その月のその日、播磨の印南野(いなみの)にかならず来会へ。そこにてぞ会はむずる」と見て覚めて、うれしきこと限りなし。物仰せられつる御顔の、現(うつつ)のやうに面影に立ちて見えさせ給へば、「いつしか、その月日になれかし」とおぼゆ。 | ||
| 行 24: | 行 27: | ||
| さて、後はいとどをのやうにもこそなけれど、いと貧しからぬ者にて、いとよくて、聖にてやみにけると、人の語りしなり。 | さて、後はいとどをのやうにもこそなけれど、いと貧しからぬ者にて、いとよくて、聖にてやみにけると、人の語りしなり。 | ||
| + | |||
| + | [[kohon061|<< | ||
| ===== 翻刻 ===== | ===== 翻刻 ===== | ||
text/kohon/kohon062.1402411833.txt.gz · 最終更新: by Satoshi Nakagawa
