text:kohon:kohon041
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text:kohon:kohon041 [2014/09/16 01:58] – Satoshi Nakagawa | text:kohon:kohon041 [2016/01/22 16:08] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa | ||
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- | 今は昔、貫之が土佐の守になりて、下りてありけるほどに、任果ての年、七・八ばかりの子の、えもいはずをかしげなるを、限りなくかなしうしけるが、とかくわづらひて失せにければ、泣き惑ひて、病づくばかり思ひこがるるほどに、月ごろになりぬれば、「かくてのみあるべきことかは。上りなむ」と思ふに、「児(ちご)のここにて何とありしはや」など、思ひ出でられて、いみじう悲しかりければ、柱に書き付けける。 | + | 今は昔、貫之((紀貫之))が土佐の守になりて、下りてありけるほどに、任果ての年、七・八ばかりの子の、えもいはずをかしげなるを、限りなくかなしうしけるが、とかくわづらひて失せにければ、泣き惑ひて、病づくばかり思ひこがるるほどに、月ごろになりぬれば、「かくてのみあるべきことかは。上りなむ」と思ふに、「児のここにて何とありしはや」など、思ひ出でられて、いみじう悲しかりければ、柱に書き付けける。 |
- | みやこへと思ふにつけて悲しきは帰ららぬ人のあはれなりけり | + | 京へと思ふにつけて悲しきは帰らぬ人のあはれなりけり |
と書きつけたりける歌なむ、今までありける。 | と書きつけたりける歌なむ、今までありける。 |
text/kohon/kohon041.txt · 最終更新: 2016/01/22 16:08 by Satoshi Nakagawa