text:karakagami:m_karakagami3-07
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text:karakagami:m_karakagami3-07 [2023/01/15 22:36] – 作成 Satoshi Nakagawa | text:karakagami:m_karakagami3-07 [2023/01/17 13:50] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa | ||
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- | 高祖((劉邦))、孝恵((恵帝))を太子((「太子」は底本「太公」。後の異本注記に「太子」とあるのにより訂正。))と定め奉りてあるほどに、愛女(あいぢよ)戚夫人(せきふじん)が子、趙王如意(てうわうによい)をいとほしがりて、孝恵を代へて如意を太子((「太子」は底本「太公」。異本注記より訂正。))とせむとするに、孝恵の母呂后((呂雉))驚きて、張良に、「こは、いかがせんずる」と言ひ合はするに、張良、「ゆゆしき大事なり。ただし、高祖の召し使はばやと思したる者四人((商山四皓))、年老いて商洛山(しやうらくさん)((商山))といふ所に隠れてゐたり。高祖の御心あまりにて、人をあなどり、ものともし給はぬを憤りて、隠れ居て、漢の臣たりしと申すなるを、高祖いみじく口惜しきことに思したれども、かなはずして年を経(へ)にけり。かの四人をいかにもして召し寄せて、太子の臣になされたらば、けしうあらじ」と申すに、とかくして呼び寄せつ。 | + | 高祖((劉邦))、孝恵((劉盈))を太子((「太子」は底本「太公」。後の異本注記に「太子」とあるのにより訂正。))と定め奉りてあるほどに、愛女(あいぢよ)戚夫人(せきふじん)が子、趙王如意(てうわうによい)((劉如意))をいとほしがりて、孝恵を代へて如意を太子((「太子」は底本「太公」。異本注記より訂正。))とせむとするに、孝恵の母呂后((呂雉))驚きて、張良に、「こは、いかがせんずる」と言ひ合はするに、張良、「ゆゆしき大事なり。ただし、高祖の召し使はばやと思したる者四人((商山四皓))、年老いて商洛山(しやうらくさん)((商山))といふ所に隠れてゐたり。高祖の御心あまりにて、人をあなどり、ものともし給はぬを憤りて、隠れ居て、漢の臣たりしと申すなるを、高祖いみじく口惜しきことに思したれども、かなはずして年を経(へ)にけり。かの四人をいかにもして召し寄せて、太子の臣になされたらば、けしうあらじ」と申すに、とかくして呼び寄せつ。 |
そののち高祖宴会し給ふ。太子なむ侍りけり。かの四人、太子の供にあり。年みな八十余りにて、鬚眉(ひげまゆ)白く、衣冠などただ人にも似ず。高祖怪しみて、「あれは何ぞ」と問ひ給ふに、四人、進みて姓名を申さく、「園公(ゑんこう)・甪里先生(ろくりせんじやう)((底本表記「角里先生」。))・綺里季(きりき)・夏黄公(かくわうこう)」と言へり。 | そののち高祖宴会し給ふ。太子なむ侍りけり。かの四人、太子の供にあり。年みな八十余りにて、鬚眉(ひげまゆ)白く、衣冠などただ人にも似ず。高祖怪しみて、「あれは何ぞ」と問ひ給ふに、四人、進みて姓名を申さく、「園公(ゑんこう)・甪里先生(ろくりせんじやう)((底本表記「角里先生」。))・綺里季(きりき)・夏黄公(かくわうこう)」と言へり。 |
text/karakagami/m_karakagami3-07.1673789763.txt.gz · 最終更新: 2023/01/15 22:36 by Satoshi Nakagawa