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text:karakagami:m_karakagami1-10 [2022/10/18 16:52] – 作成 Satoshi Nakagawatext:karakagami:m_karakagami1-10 [2022/10/19 21:30] (現在) Satoshi Nakagawa
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 初めは田を作り、魚をすなどり、土器(かはらけ)を作り、かやうのいやしきことのみぞし給ひし。この御母失せて後(のち)、父、さらに妻(め)をとりて、少子をまうけたり。名をば象((底本「シヨウ/ザウ」と読み仮名。))といふ。父、この象を愛し、常に舜を失なひ奉らんとす。 初めは田を作り、魚をすなどり、土器(かはらけ)を作り、かやうのいやしきことのみぞし給ひし。この御母失せて後(のち)、父、さらに妻(め)をとりて、少子をまうけたり。名をば象((底本「シヨウ/ザウ」と読み仮名。))といふ。父、この象を愛し、常に舜を失なひ奉らんとす。
  
-舜を倉((底本「クラ/ヤネヘノホセ」と読み仮名。)))にのぼせ奉りて、父、倉に火をつけたるに、舜、笠二つを羽として飛び降り給ひぬ。また井を掘らしむ。かくやうやうにするを、「われを殺さんとす」と、舜御心して、そばの方(かた)へ出づべき路を、みそかにまうけ給へり。父それを知らずして、象とともに土をこねて埋(うづ)まんとす。舜、心給へることなれば、その((底本の異本注記によると「そばの」))穴より出で給ひぬ。+舜を倉((底本「クラ/ヤネヘノホセ」と読み仮名。)))にのぼせ奉りて、父、倉に火をつけたるに、舜、笠二つを羽として飛び降り給ひぬ。また井を掘らしむ。かくやうやうにするを、「われを殺さんとす」と、舜御心して、そばの方(かた)へ出づべき路を、みそかにまうけ給へり。父それを知らずして、象とともに土をこねて埋(うづ)まんとす。舜、心給へることなれば、その((底本の異本注記によると「そばの」))穴より出で給ひぬ。
  
 舜をば尭の聟(むこ)として、女子を二人ながらあはせ給ひて、琴をも給へり。また倉や牛・羊などをとらせてぞ飼はす。父も弟(おとと)も舜をば「死に給ぬらん」と思ひて、倉や宝ものをば父取りつ、尭の二女と琴とをば弟取りて、舜宮にゐて琴を弾きてをり。舜、井より出で給ひて、つつがもなくて家へ帰り給ふ。弟、驚きて、「われ舜を思ひて歎きつるなり」と言ふ。舜、「さぞありつらん」とて、さりけなくてまします。かやうなれども、父に仕へ給ふことも、弟を愛し給ふこともおろかならず。 舜をば尭の聟(むこ)として、女子を二人ながらあはせ給ひて、琴をも給へり。また倉や牛・羊などをとらせてぞ飼はす。父も弟(おとと)も舜をば「死に給ぬらん」と思ひて、倉や宝ものをば父取りつ、尭の二女と琴とをば弟取りて、舜宮にゐて琴を弾きてをり。舜、井より出で給ひて、つつがもなくて家へ帰り給ふ。弟、驚きて、「われ舜を思ひて歎きつるなり」と言ふ。舜、「さぞありつらん」とて、さりけなくてまします。かやうなれども、父に仕へ給ふことも、弟を愛し給ふこともおろかならず。
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 さても異説に、この帝、尭を捕らへ奉りて殺して位には即き給へりと聞きしこそ、まことしからず侍れ。さらんには、いかでかこれほどの聖徳はおはしますべき。囚尭台(しうげうだい)と申すところは、まさしく侍るとかや。 さても異説に、この帝、尭を捕らへ奉りて殺して位には即き給へりと聞きしこそ、まことしからず侍れ。さらんには、いかでかこれほどの聖徳はおはしますべき。囚尭台(しうげうだい)と申すところは、まさしく侍るとかや。
  
-[[m_karakagami1-09|<<PREV]] [[index.html|『唐鏡』TOP]] [[m_karakagami1-01|NEXT>>]]+黄帝・顓頊・高辛((嚳))・尭・舜を五帝と称す。史記の説なり。少昊・顓頊・高辛・尭・舜を五帝と称す。孔安国が説なり。伏羲・神農・黄帝・少昊・顓頊を五帝とす、家語((孔子家語))の説なり。黄帝・金天((少昊。底本「天」なし。諸本により補う。))・高辛・尭・舜を五帝とす。六人を五帝と称するは徳五帝座に合ひ((底本「合」に「カナ」と異本注記。))て、帝六人その星に合ふゆゑといへり。鄭玄((底本「チヤウクヱンカ/テイケン」と読み仮名。))が説なり。 
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 https://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100182414/viewer/16 https://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100182414/viewer/16
  
-  こねてうつまんとす舜心給へることなれはそ(ハイ)のあな+  こねてうつまんとす舜心給へることなれはそ(ハイ)のあな
   よりいて給ぬ舜をは尭の聟(ムコ)として女子を二人なからあ   よりいて給ぬ舜をは尭の聟(ムコ)として女子を二人なからあ
   はせ給て琴をも給へり又倉や牛(ウシ)羊(ヒツシ)なとをとらせてそ   はせ給て琴をも給へり又倉や牛(ウシ)羊(ヒツシ)なとをとらせてそ
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   しからす侍れさらんにはいかてかこれほとの聖徳はおはしますへ   しからす侍れさらんにはいかてかこれほとの聖徳はおはしますへ
   き囚尭臺(シウケウタイ)と申すところはまさしく侍とかや/s18r・m34   き囚尭臺(シウケウタイ)と申すところはまさしく侍とかや/s18r・m34
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 +  黄帝顓頊(ゼンギヨク)高辛尭舜を五帝と称す史記の説なり少昊
 +  顓頊高辛尭舜を五帝と称す孔安国(クアンコクカ)説なり伏羲神農黄
 +  帝少昊顓頊を五帝とす家語説なり黄帝金高辛尭
 +  舜を五帝とす六人を五帝と称するは徳五帝坐に合(カナイ)て帝
 +  六人其星に合ゆへといへり鄭玄(チヤウクヱンカ/テイケン)説なり/s18l・m35
  
 https://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100182414/viewer/18 https://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100182414/viewer/18
  
text/karakagami/m_karakagami1-10.1666079572.txt.gz · 最終更新: by Satoshi Nakagawa